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* 楽 天 的 い な か 侍 * |
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なよ竹の風にまかする身ながらも
たわまぬ節はありとこそきけ
西郷千重子
幕末会津藩家老である西郷頼母の妻、西郷千重子の辞世の句です。
新政府軍が会津城下に殺到との知らせを受けたとき、
家老である頼母は、篭城すべく会津鶴ヶ城に向かいました。
そして妻である千重子は、夫を送り出したあと家を清め、
三人の娘を含む一族21人で自害しました。
新政府軍に辱められることを恐れたためでした。
尊皇の精神を掲げ、権力や自藩の利益のためではなく、
国のため天皇のために京都をテロリストから守り続けた会津藩。
なのになぜ天皇に逆らう「賊軍」として討たれなければならないのか?
そんな疑問と、逆らえない時世に翻弄されながらも、
自分の中にある「義」は間違っていないと信じ、
最後にその気持ちをこの句にこめたのでしょう。
おそろしいスピードいろいろな情報が飛び交い変化していく今、
自分はその流れから外れているかも、と感じたとき、とても不安になります。
そんなときに、心の中でこの句を詠みます。
今の世の中がどうであろうと、結局明日にはどうなるか分からない。
だったら、自分が今信じているものを鍛え上げ、
ゆるぎない自信を持って、日々カッコよく生きたい。
自分が信じるものを貫き通す「義士」でありたい。
男だし。
そう思わせ、奮い立たせてくれる句です。