いろを的陶器とちょっと気功な話

いろを的陶器とちょっと気功な話

2008.12.18
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陶器6

 私は学生時代、建築のデザインを学んでいました。

 当時の教授が「できるだけ多くの他人の作品を見なさい」と言っていました。その頃は、「他人の作品を見て良い所を取り入れ、自分なりにアレンジしてより良いモノを造る」というように捉えていました。そうやって出来た作品は、確かに他人受けが良いのです。ただ、自分の中には何か「負い目」のような感覚が残っていて、素直に喜べなかったりするんですね。

 やはり元は「人真似」ですからね。元々雑誌に取り上げられるような作品から引っ張り出してきたものなら、受けが良くて当たり前ですね。自分の中で「いいなぁ!」と感じたモノは、元々自分の中にもある感覚のように感じています。むしろ、「なんだコレ?」と感じたモノに、「やられた!」という感覚が残るのです。

 他人には受け入れられない感覚って、本当の意味でその人だけの感覚に近づいているように感じ、今は教授の言う「できるだけ多くの他人の作品を見なさい」は、「他人と同じものを作らないように」と捉えています。多くの他人の作品をみて、自分の中にある同じような感覚を削ぎ落とし、既に生まれた時点で存在する自分だけの感覚を探し出す作業とでもいいますか。

 やはりモノを作る時、「皆に認めてもらいたい」とも想うのですが、それとは別に、自分だけのモノも追い求めてみたくなるんです。自分だけの感覚・・・自分だけ満足できて、他人には理解できない感覚・・・。それを考えると、モノ作りが辛く、ついつい遠ざかってしまうのも事実です。まさに、一生をかけての作業のように想います。

 それが出来た時に生きている意味も失いそうで、「悟り」とは究極の自己満足とも感じてしまいますかね。(07.9.22著)

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 毎回自作の陶器を一緒に掲載しまして、時々褒めていただいて、嬉しく想います。

 ただ私のこのモノ作りに関しては、前回に記したものとはまた別の意味合いもあります。モノ作りを生活の糧にしていると、買って頂く為に少なからず「他人受け」を気にしますかね。そういったモノ作りを続けていると、どうしてもストレスが溜まってきます。そういった時に、機能やデザインの「他人受け」を、一切気にしないでモノを創ってみたくなります。

 自分の中に溜まった「ワガママ」を吐き出すような、いわば排泄的なモノ創りなので失敗もなく、ある意味とても気持ちよいです。いくらでも創造できますね。前回の「自己満足」とは、また別の性質のものですね。ただ、それは、他人の評価を気にしなくても良いので、大概は頭の中で完結し、それで満足してしまいます。

 よって毎回掲載している作品のように形にするには、例えば誰かに貰って頂くといったような「名目」が必要で、そこには、少なからず「褒めてもらいたい」の質が入っていますね。(笑)この日記も少なからずそういった質のモノである自覚はあります。また、自分の作品が、それを遣う人それぞれの感覚で、どう遣われ(変化し)ていくのかが、とても楽しみです。

 いわゆる他世界観を楽しむためです。ゆえに後期の作品は、モノを蓄える機能だけ備えて自分の感覚において上下裏表が無いように(全て正面)作っています。家を設計するときも、なるべく住む人が、その時々のシチュエーションに合わせて変化できる事を第一に考えていました。私自身が飽きやすく、また何度でもその家に訪問したくなるようにですね。

 ただ、残念なことに日本人は、得てして技術的な事に趣を強く置くようです。「本当に良いモノは一つ」とか言ってですね。また、日々の生活に追われ、なかなかその様な余裕もないようです。事実私がそうですからね。(笑)(07.9.23著)

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 「遣いづらいわね~」

 デザインを優先してしまって、本来の機能を損なってしまったり・・・。建築など特に機能を蔑ろには出来ませんね。むしろ日本では、機能を優先したモノが評価され易かったりしますかね。いわゆる「機能美」と言うヤツですかね。機能を突き詰めることで想わぬデザインが生まれたりもしますが、最終的には画一的なデザインになってしまうって理屈ですかね?

 一つの考え方として、まずデザインを先に生み出して、そこに機能を持たせるために突き詰めるアプローチもありますかね。確かに前記に比べ機能は落ちますが、「自分だけのモノ」的な、機能にも勝る満足感もあったりしますかね。時に「遊び心」とかいって「贅沢」を味わえたり、また時に「これどうやって・・・」とか遣い辛さにより会話がうまれたり・・・。

 また曲線って、わりとその人それぞれの美的センスが出易かったりするんですよね。ただある意味完成度(個性)が高く、他のモノとの相性が悪かったり、後に他人が手を加えようとしても難しかったりするんですよね。直線や完全な円、45や90度の角など、ある意味それぞれは個性が薄いモノの方が変化の応用も容易で、遣い方の個性を生んだりもしますかね。

 ただ日常的に遣うとなると、いずれも鬱陶しかったりするんですけどね。そして周りが皆複雑に個性を主張し始めると、逆に単純に無個性なモノが「個性的」になってしまいますけどね。(09.5.12著)

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 「気に入った家を建てるには2・3軒建てないと・・・」

 私も家を建てる時、色々とやりたいことが膨らんでしまい、まとまらず、結局水周りを除いて1・2階総吹き抜け(大空間1部屋)の建物になってしまいました。住みながら追々手を加えていけばいいかな・・・って感じで後の改装の為に今も所々体裁良く下地も残しています。個人的には建物の骨(躯体)にこそ美しさ(機能・構造美)も感じたりしますので・・・。

 また家具や階段にまでキャスターを付け、急なレイアウトの変更にも対応できるようにしています。そしてそれらが必要の無いときは全て無くせたり、また他のモノに転用出来るように分解・変形出来る事を基本に作製しています。私は集中は深い反面飽きっぽく、欲張りで多機能にしないと満足もできないのですよね。「一石二鳥」とか大好きな言葉ですね。(笑)

 大概のモノは自分で造りますが、モノを購入する時は本来の用途は無視して選んだり、逆に全く用途のないモノにも惹かれたりしますかね。他人の思惑に従わされているような感覚に嫌悪を多少なりと感じたりもすることもありますかね。また造っている最中にはすでに次のことを考えているので計画変更もざらで、他人に制作を依頼する事はほぼ不可能です。

 と言うよりも、申し訳なくて変更を頼めないので自分でやってしまっている所もありますかね。いざ住み始めると面倒になって、せっかくの多機能も宝の持ち腐れになりがちですがね。(笑)(09.12.10著)



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Last updated  2012.06.24 19:39:40
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