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2012.12.22
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カテゴリ: 株式投資



◎NY外為:円とドルが上昇-「財政の崖」懸念で逃避需要

21日のニューヨーク外国為替市場では円とドルが上昇。米国が赤字削減策の交渉に失敗し、「財政の崖」を回避できないとの懸念から、投資家はドルと円に安全性を求めた。

ユーロは対ドルで週間ベースの上げ幅を縮小した。米下院指導部は20日夜に予定されていたベイナー下院議長の減税延長法案(第2案)の採決を見送った。同法案は年収100万ドルを超える富裕層の税率を引き上げる内容だった。この日のユーロはイタリアのモンティ首相辞任に反応して2週間ぶりの大幅安となった。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は、「投資家は財政の崖交渉の展開と先行きに神経質なっている」と述べ、「下院でベイナー議長案を採決にかけられなかった事実は、問題が未解決であることをあらためて思い起こさせるものだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は主要通貨すべてに対して上昇。対ユーロでは0.6%上昇して1ユーロ=111円08銭。ドルは対ユーロで0.4%上昇して1ユーロ=1.3188ドル。ドルは対円では0.2%下げて1ドル=84円24銭。

ユーロと円の見通し

商品先物取引委員会(CFTC)が発表した建て玉明細 によると、ユーロの対ドルでの下落を見込んだネットショート(売り越し)は18日現在、9736枚と前週の3万1623枚から減少し、2011年9月以来の低水準となった。

また円の対ドルでの下落を見込んだネットショートは8万9163枚と、前週の9万4401枚から減少した。

JPモルガン・チェースの指数 によると、主要7カ国(G7)通貨のインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)指数は7.79%。今月17日には7.09%と、終値ベースでは2007年7月以来の低水準をつけていた。

ベイナー下院議長は前日の声明で「下院はきょう法案を採決するに至らなかった。われわれのメンバーから可決に必要な支持を十分得られなかったためだ」と述べた。下院指導部の発表によれば、クリスマス休暇後まで下院は新たな採決を行わない。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の調査責任者、ダン・ドロー氏は「民主党・オバマ大統領との合意を実際に成立させるにはさらに時間がかかるだろう。つまり財政の崖をめぐっては一段と不透明感が強まることになる」と述べた。

モンティ首相辞任

モンティ首相は21日、ナポリターノ大統領に辞職願を提出した。大統領府が声明を発表した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は、「モンティ首相の辞任はユーロにとって売り圧力をかける材料になるだろう」と述べ、「緊縮策を実施し、財政を正常化させようと試みた点でモンティ首相は立派だった」と評価した。

米国の財政交渉が難航する中でも円は週間ベースで主要16通貨の大半に対して下落した。

日本銀行は20日開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金における資産購入を「66兆円」から「76兆円」に拡大することを全員一致で決定した。また次回決定会合で中長期的な物価の安定について検討を行うことも決めた。

自民党の安倍晋三総裁は日銀にインフレ目標を2%に設定し、同目標達成まで無制限の金融緩和を実行するよう強く求めている。

原題:Yen, Dollar Up on Safety Demand asDeficit-Reduction Talks Stall(抜粋)

◎米国株:反落、下院共和党の法案採決取りやめで

米株式相場は反落。下院共和党指導部が富裕層向け増税を盛り込んだ法案の採決を取りやめたことから、財政協議が難航しているとの懸念が広がった。S&P500種株価指数は週間ベースでは上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は2%安と、ダウ工業株30種平均の構成銘柄で下げが最もきつい。決算で赤字が拡大した半導体メモリー最大手のマイクロン ・テクノロジーは大幅安。スマートフォン(多機能携帯電話)「ブラックベリー」のメーカー、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)は23%の急落となった。サービス料の大幅な見直し計画が嫌気された。一方、利益がアナリスト予想を上回ったナイキは大幅高。

S&P500種 株価指数は前日比0.9%安の1430.15で終了。11月14日以来の大幅安となった。年初からはなお14%上げており、このまま終えれば年間では2009年以来の大幅高となる。ダウ工業株30種平均は前日比120.88ドル(0.9%)下落の13190.84ドルで終えた。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト、ケビン・キャロン氏は電話インタビューで、「下院にあのような強硬派がいるため、合意なく年を越す可能性が高まったようだ」と指摘。「合意に至るかどうか分からず、合意に至るとしてもその時期は分からない。現時点ではまったく先が読めない」と述べた。

財政協議

S&P500種は30日移動平均を約52%上回る水準にある。この日は全10セクターが下げた。今週の初めは財政協議が進展しているとの見方から上昇したが、その後に伸び悩み週間では1.2%高にとどまった。議会予算局(CBO)は議会が財政協議で合意に至らず、1月から6000億ドル規模の強制的な歳出削減と減税措置の打ち切りが発生すれば、リセッション(景気後退)に陥る可能性があると指摘している。

前日はベイナー下院議長がオバマ大統領と財政協議を続けるとの見通しを示したことから上昇した。しかし、同議長が共和党内の増税反対派に譲歩して、年収100万ドルを超える世帯への増税を織り込んだ計画の採決を見送ったため、株価先物はその後に下落した。

下院と上院はクリスマス休暇後まで新たな採決は行わず、「財政の崖」回避の時間は1週間を切ることなる。

リサーチ・アンド・アセット・マネジメント(チューリヒ)のオットー・バサー最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「2013年上半期に財政引き締めの影響で経済成長が2ポイント押し下げられることを考慮する必要がある。米経済の減速は避けられず、相場を圧迫するだろう。現時点で確かなものは何もない」と述べた。

経済指標

11月の米個人消費は前月比で増加した。感謝祭やクリスマス向けなど贈答品の支出増が影響した。個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増加となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。個人所得も増加した。

11月の米製造業耐久財受注は前月比で増加し、伸びは市場予想を上回った。製造業耐久財受注額は前月比で0.7%増加。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値0.3%増を上回った。前月は1.1%増に上方修正された。

S&P500種のセクター別では、通信サービスや金融、エネルギーの下げが目立った。

BOAは2%、シティグループは1.7%、JPモルガン・チェースは1.2%それぞれ下げた。

マイクロン・テクノロジーは6.9%安と、S&P500種構成銘柄で下落率首位となった。9-11月(第1四半期)決算は赤字が拡大した。パソコン(PC)需要の低迷がメモリーの供給過剰を招き、価格に響いた。

原題:U.S. Stocks Decline After HouseRepublicans Cancel Budget Vote(抜粋)

◎米国債:10年債利回り6週ぶり大幅低下-財政協議を懸念

米国債相場は上昇。10年債利回りは6週間ぶりの大幅な下げとなった。「財政の崖」回避に向けた協議が行き詰まる中、下院の共和党指導者らが年収100万ドルを超える富裕層の税率引き上げを認める法案の採決を取りやめたことが背景にある。

この日の経済指標では個人消費の増加が示されたものの、米国債は堅調を維持した。米国債はこれで3日続伸。ベイナー議長が自身の案を取り下げたことで、財政問題をめぐる議会での採決はクリスマスの休暇明けまで行われないことになる。

GMPセキュリティーズの債券ストラテジスト、エイドリアン・ミラー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で「経済指標に注目している人など誰もいない。米国債相場は『財政の崖』問題の進展次第だ。年内に合意できるか疑問が生じている」とし、「ぎりぎりで合意できるかもしれないが、市場ではすでにリスクが大きく高まっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後2時59分現在、10年債利回り は前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.75%。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は3/8上げて98 27/32。

10年債利回りは一時6bp低下の1.7337%と、11月7日以降で最大の下げとなった。200日移動平均である1.7491%を下回った。

週間で下落

10年債は週間ベースで3週続落。利回りは14日以降5bp上げている。18日には1.85%と10月25日以来の高水準を付けた。

30年債利回り は6bp下げて2.92%。

米証券業金融市場協会(SIFMA)は24日は米東部時間午後2時までの短縮取引、25日クリスマスの祝日は休場とするよう勧告している。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、米国債の年初来リターンはプラス1.8%で、このままいけば年間リターンはマイナス3.7%だった09年以来最悪となる。

ボラティリティの指標とされるメリル・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE )指数は前日に54.4bpと、19日の57.8bpから低下した。

続く





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最終更新日  2012.12.23 00:22:58


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