5曲目の`House on the Hill'、1分51秒でギターとピアニカみたいな音の楽器が(ハーモニカなのかな?)ユニゾンを奏でるところ、2分54秒でヴァイブラフォンが金属的な輝きをたたえて語りだし、久しぶりにあった友人と昔のこと、いまの状況、考えていることを、表情豊かに話しているかのように繰り広げられるソロは、このアルバムのもっとも美しい瞬間でしょう。
彼を支えるメンバーは、聞き役に回って、絶妙のタイミングで、絶妙の声音で、相づちを打ちます。
Gary Burton の紡ぎだすメロディは、コードの森に風が吹き、光が射し込んで、日だまりになったり、暗がりをかすかに照らしだしたり、木漏れ日が地表の落ち葉に模様を描くよう、それだけでなくジャズという音楽が引き出す音の表情の豊かさを教えてくれます。
このアルバムの聞き所は、もうひとつ、とりあげられた曲がすばらしいこと。
メンバーのPat Metheny, Mithcel Formanに加え、Vince Mendozaが書いた2曲と、Polo Ortiが書いたと2曲の都会的なバラード、または夜想曲、ノクターンと呼ぶべき楽曲が際だっています。Will Leeがソリッドボディのベースの魅力、そして色気を存分に発揮して、これらの楽曲の全体をモダンな音にまとめています。 Gary Burton:vb, Pat Metheny:g, Will Lee:el-b, Peter Erskine:ds, Mithcel Forman:p。