島流れ者 - 悪意なき本音

島流れ者 - 悪意なき本音

Chicago 

Chicago

お勧め度:100%

この映画のプリヴューを見たときに、よくあるシカゴを舞台とした酒、女、ギャンブルを交えたマフィア映画だと勘違いしていた。が、実際はまったく違ったストーリーであったことを知って、劇場で見なかった事を今更後悔している。お話はキャンダルを起こした売れっ子の二人の舞台女優があらゆる手段を使って名誉を取り戻す様をミュージカル仕立てに仕上げてある。

まず驚いたのはお話の展開振り。まったく内容を知らないで見ると始めはどうなってんのかちょっと分り辛いが、うまく捻りがきいてる。キャストはみなお馴染みの顔ぶれだが、一人一人のミュージカル演技がまるで何年もミュージカル役者をやっていたかのように踊り、歌が憎らしいほど見事に決まっている。とあるパブリックラジオでこの映画のヴォーカル指導を勤めた先生のインタヴューをしていた。それによると、すべての歌がそれぞれ本人の声だそうで、一番指導を手こずったのがリチャード・ギアだったそうだ。彼には何度も力んで歌手らしくしようとせず、自分の自然な声で歌わせるには苦労したと。この素晴らしいミュージカルシーンは一人一人のアクター、アクトレスの努力の賜物であり、まさにアカデミー賞に値する仕上がりである。

この映画を見た後に腕のいい先生に特訓を受ければ私も歌手になれるのかと錯覚を起こす諸氏も多いだろう。まるで一時映画のシャルウィーダンスがヒットした時社交ダンスをこぞって習う人でダンススクールが一杯になったのようにヴォーカルスクールが音痴生徒で一杯になるかも?!(ちなみに島流れ者の姉は社交ダンスのインストラクターである)

追加:主役のRenée Kathleen Zellweger は、この映画で一気に注目を浴びることになったが、彼女のコメディー作品、Nurse BettyやBridget Jones’s Diary も面白いコメディーで、是非見てほしい。


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