tomorrow

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赤髭先生



この街の赤髭先生に仕事を依頼されたからだ!

「車が必要なんだが、用意してくれないか?」

僕は赤髭先生の話しを注意深く聞いた。

「ここに、1000万用意した。足りない分は口座に振り込ませるけど?」僕はOKした。

待合室には、色々な国の言葉が飛び交っていた。

チャイニーズ、コリア、フィリピン!泣き叫ぶ子供を抱いた母親が、受付で子供をなだめ、

その近くの長椅子では、夜の商売の若い女達!

その横には、どこから見てもそのスジの男がこっちを見ている。

「保健書番号教えてください。」の貼り紙が廊下からの風になびく。

この街で赤髭先生は開業して40年たつらしい!

多くを語らないが、この街の多くを知ってる。

金の無い子供や、かつぎ込まれるケガにんを診てきているのだろう!

遠い国の支援活動という名目よりも、

明日食べて行く金の無い異邦人が、この街には溢れている。

テレビもそんなこの国の現状には振り向こうとしない。

人間は貧しければ貧しい程強くなれる。

この街の裏路地では、色々な国の人が暮らしている。

国を捨てて来た人や、出稼ぎに来ている人達など。。。

赤髭先生は長い間、片言のおかしな日本語で話す!!

「来年上のお兄ちゃんが卒業する。そうしたら、この仕事、
お兄ちゃんが継ぐ。」

僕は笑顔で答えた「良かったですね!!それは!!」

交渉事はニュースで写しだされている事ばかりじゃない。

赤髭先生みたいな人がいるから、

日本は安泰なのかもしれない。

今日も昼メシも時間を削り、どこからとも無く待合室に

集まってくる患者を、赤髭先生は診察するのだった。

                     終わり。



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