tomorrow

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空色のキップ


来年から、順一君と同じ小学校だね!

近所の美容室の娘のキョウコちゃんは増せた子だった。

よく、おままごとの相手を順一は為せられた。

順一はキョウコちゃんの相手は苦手だった!

「順一君、私は美人だから、奥さんの役をやるから!貴方は近所のプレイボーイね!」

順一は首を傾げた?プレイボーイ?

「アイタタタ!お腹が痛いわ!」

「どうしたのですか?奥さん!」順一は京子のお腹を触った。

「奥さん!大丈夫ですか?」京子は順一の手を取ると「そこじゃ無いの胸が痛いの!貴方のせいなの!」

京子は順一の手を取ると京子の胸に持っていった。

順一は何かいけない事をしている様な気がして、真っ赤な顔で立ち上がった。

「僕帰る!」そう言うと一目散走って逃げた。

「順一の弱虫意気地無し!」

遠くで京子の罵る声がした。

あれから、順一は異性を意識する事を覚えた。

ある、日曜日の朝、

私は母と父と三人で近所のイトーヨーカ堂に買い物に出掛けた!

ヨーカ堂のレストランで家族で食事をした。順一は父がいつもより優しかったのが嬉しかった。

「順一、好きな物を頼みなさい!」

母の顔を見上げると笑顔だった。

「お前は来年から小学生だから、話すが、父さん転勤で
北海道に行く事になったんだ。勿論お前も行くだろう?」

順一は勿論首を縦に振った。

帰りに順一は地球儀を買ってもらった。

「父さん!北海道には、何で行くの?」

そうだなぁー、飛行機で行くんだよ。

順一は思った。もう二度と本土には帰って来れない様に思えた。

両親は順一が小学校に上がる前にと考え、その2週間後には

家中の荷物を段ボールにまとめ引越しの準備を始めた。

「雪が降る前にサッポロに引っ越した方がいいだろう。」

父の配慮からだった。

「何、順一もすぐに慣れるさ!!子供は環境に順応するのが
早いさ!!」

順一は仲良しの京子ちゃんとも、気まずい関係になってから

お別れの挨拶もする事も無かった。

僕は、母に手を引かれ、空色のキップを手にした母に連れられ羽田発千歳行きのゲートに入った。

見知らぬ土地へ行く事に、涙がこぼれた。

羽田の上空から、東京のネオンサインを見ながら、

生まれた土地、東京を後にした。

                  つづく。


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