New Worid

New Worid

運命へのプロローグ

 1992年11月25日、オハイオ州リッチフィールドにてサバイバーシリーズ92が開催されました。その間にWWE世界王座とインターコンチネンタル王座が移動しました。10月12日カナダ・サスカトゥーンにてブレット・ハートがリック・フレアーを破りWWE世界王座を獲得しました。そして10月27日インディアナ州テラホートにてショーン・マイケルズがデイビーボーイ・スミスを破りWWEインターコンチネンタル王座を獲得しました。90年代前半と中盤を支えたブレットとショーンがサバイバーシリーズという大舞台で対峙することになりました。新しい時代の幕が開けるか?閉ざされるか?すべてはこの2人の戦いで明らかになります。
 第1試合はヘッドシュリンカーズ(サムー&ファトゥー)VSハイ・エナジー(”ザ・ロケット”オーエン・ハート&ココ・B・ウェア)。第2試合はビッグ・ボスマンVSネイルズ。第3試合はタタンカVS”ザ・モデル”リック・マーテル。第4試合は”マッチョマン”ランディ・サベージ&”ミスターパーフェクト”カート・ヘニングVSリック・フレアー&レーザー・ラモン。第5試合はヨコヅナVSバージル。第6試合はナスティ・ボーイズ(ブライアン・ノブス&ジェリー・サッグス)&ナチュラル・ディザスターズ(アースクエイク&タイフーン)VSマネーインク(”ミリオンダラーマン”テッド・デビアス&IRS)&ビバリー・ブラザース(ボウ&ブレイク)のサバイバーシリーズ・エリミネーションマッチ。第7試合はジ・アンダーテイカーVSキマラ。そしてメインはブレット”ヒットマン”ハートVS”ボーイトーイ”ショーン・マイケルズのWWE世界王座戦。この時点では知る由もありませんが、5年後に起きる”モントリオール事件”へのプロローグとも言えます。
 まずは第1試合。ヘッドシュリンカーズはビンス政権以前のWWWF時代から活躍していたワイルド・サモアンズの血縁で、サムーはサモアンズの1人アファの息子です。アファ自身がヘッドシュリンカーズのマネージャーでしたから。そしてファトゥーは2000年にてリキシとして活躍することになります。サモア系はパワーも凄いですが、レスラーとしてのセンスも抜群なのでオーエンのセンスを持ってしても敵わずヘッドシュリンカーズの快勝。第2試合はナイトスティック・ポール・マッチという特殊ルールでの試合で、コーナーに設置してあるポール上に吊るされてあるナイトスティック=警棒を手に入れて相手を攻撃するというルールです。結局ボスマンが快勝しましたが、その後ネイルズはビンスに対する暴行事件を起こし解雇され、それを怨んでステロイド裁判でビンスに不利な証言をすることになります。第3試合はレッスルマニア8でもやってますが、正直消化試合ですね。
 第4試合はなんとも豪華な顔触れですが、フレアー、サベージ、ヘニングを4試合目に置いているところに今大会に懸けるビンスの意気込みを感じます。ラモン、というよりもスコット・ホールと言った方がわかり易いですかね。体格、センス共に恵まれていますが、これまでブレイクまでには至らない状態が続きました。WCWでのダイアモンド・スタッドを経てレーザー・ラモンというキューバ系バッド・ガイに変身して浮上のきっかけを掴みました。そしてヘニングは1年振りの現役復帰。頚椎損傷で退いていたのが、アルティメット・ウォリアーの離脱で急遽サベージのパートナーとして復帰しました。しかし、やはりというかヘニングはこの試合ではそれほど活躍できず、フレアーとホールが負けた(反則負け)とはいえ本領を発揮したのとは対照的でした。第5試合はヨコヅナ初登場ですね。ヨコヅナも90年代前半、中盤で活躍したレスラーの1人です。ヨコヅナもサモア系レスラーの1人でグレート・コキーナの名で新日本プロレスの常連外国人レスラーとして活躍していました。巨体のわりにはかなり器用ですのでトップに立てたのも当然の成り行きでした。
 第6試合はナスティとディザスターズがチーム結成なんですが…なんとも暑苦しいチームで…(笑)。結果はナスティが勝ち残りました。やっぱりビバリーは影が薄い(苦笑)。第7試合はサマースラム92の再戦ですが、キマラが必要以上に怯えているのが…。テイカーの対戦相手としてはキマラは役不足かな。全盛期だったらもう少しましだったかも。
 そしてメインのブレットVSショーンです。4年後のレッスルマニア12と比較するとこの時点ではブレットのほうが1日の長があるといった感じですね。実際シングル転向はブレットのほうが1年早かったし、カート・ヘニングやロディー・パイパーと名勝負を演じましたし。ショーンはティト・サンタナ、デイビーボーイ・スミスと戦ったとはいえまだまだ経験不足といった印象が強いです。結果はブレットが見事シャープシューターを決めて勝利。サマースラムでは負けたとはいえ4大大会2戦連続でメインを見事に務めたことで新しいWWEの主役の地位を確立したのでは?という印象を与えました。



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: