New Worid

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ビッグ・ダディ・クールの台頭

 1994年11月23日テキサス州サンアントニオにてサバイバーシリーズ94が開催されました。弟であるオーエン・ハートをサマースラム94で破り以降ブレット・ハートの王座は安泰かと思われましたが、意外な挑戦者が現れました。嘗てハルク・ホーガン以前のWWEの王者であったボブ・バックランドがブレットに挑んできました。
 第1試合はレイザー・ラモン&1・2・3・キッド&”ブリティッシュ・ブルドッグ”デイビーボーイ・スミス&ファトゥ&シオネVS”ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ&ディーゼル&”ザ・ロケット”オーエン・ハート&ジム”アンビル”ナイドハート&”J・J”ジェフ・ジャレット。第2試合はジェリー”ザ・キング”ローラー&スリージー&クイージー&チージーVSドインク・ザ・クラウン&ディンク&ピンク&ウインク。第3試合はブレット”ヒットマン”ハートVS”ミスター”ボブ・バックランドによるサブミッションマッチによるWWE世界王座戦。第4試合はキングコング・バンディ&タタンカ&バンバン・ビガロ&トム・プリチャード&ジミー・デルレイVSレックス・ルーガー&メイブル&アダム・ボム&ビリー・ガン&バート・ガン。そしてメインはジ・アンダーテイカーVSヨコヅナによる棺桶マッチ。
 第1試合ですが、ショーンにとっては地元サンアントニオでの大会だけに気合は入ってるはずですがこの時点では強調されてないせいかショーンが登場してもそれほど盛り上がってませんね。ディーゼルが大活躍です。3人退場させてます。ところがショーンと同士討ちしたことでサマースラムからぎくしゃくしていた両者の関係がついに破綻してしまいます。怒ったディーゼルがショーンを追いかけ、それを止めようとオーエン、ナイドハート、ジャレットがディーゼルを追いかけるかたちとなって結果的にラモンが1人勝ち残りに成功しました。しかし観客のリアクションはディーゼルに集中していましたね。新しいタイプのヒーロー誕生を予感させる試合でした。第2試合ですが、キングには悪いですが消化試合の印象が強いです…。
 第3試合、サマースラム94に続いてメインから外れたWWE世界王座戦…。ビンス・マクマホンの中でブレットが物足りないと感じていたのでしょうか?しかし試合はそれほどわるくはありません。まあ全盛期を過ぎたとはいえ元WWE世界王者バックランドの実力は見事なものです。終盤バックランドが得意のチキンウイング・フェースロックでブレットを捕らえます。懸命にブレットは堪えますが、ここでオーエンが登場してセコンドに付いていたデイビーボーイ・スミスをKOし観戦していた母ヘレンを連れ出しタオル投入を求めます。困惑するヘレンさんですが、結局タオルを投入しブレットは敗退しました。1983年12月26日アイアン・シークに敗れて以来約11年ぶりの王者復帰となりました。ところが、3日後のニューヨーク・MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)大会でディーゼルに秒殺されて敗退。つまり11年前のシークの役柄を演じる結果となりました。
 第4試合まさかのバンディ復帰ですね。なんとなく当時のWWEの人材不足を物語る復帰です。考えてみたらバックランド復帰も当てはまるか…。ルーガーは結局落ち目になったし、ビリーはアテテュード路線からランクが上がっていったし…。そしてメインはテイカーにとってはロイヤルランブル94でのリベンジですね。しかしチャック・ノリスが特別審判員として登場とは…。最終的には見事テイカーがリベンジに成功しました。結局サマースラムに続いてテイカーをメインに持っていっているところに当時のWWEの人気低下が伺えます。やはりステロイド裁判の影響やホーガン、ランディ・サべージらの離脱が痛かったか…。だからディーゼルを王者にすることで立て直しを目論んだのかな。それは同時に”クリック”の台頭を暗示させることに…



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