New Worid

New Worid

HBKとラダーマッチ

インタコンチ王者時代.jpg

 マーティ・ジャネッティと別れてシングル転向を果たしたショーン・マイケルズは1992年ロイヤルランブルでのランブルマッチに参加。リック・フレアーら強豪と相対し存在感を示します。そしてランディ・サベージ、テッド・デビアスのマネージャーを務めた”センセーショナル”シェリー・マーテルと組みます。AWA時代からの知り合いなのでショーンとしてはやり易い相手でしたがシェリーにとってはその頃からショーンのヤンチャぶりを知ってるだけにちょっと尻込みしていたようです。それでもシェリーと組んだことでのちのハートブレイク・キッド(HBK)というキャラクターが定着することになったのだからこのコンビは成功したと言えます。
 そして1992年10月27日デイビーボーイ・スミスを破ってインターコンチネンタル王座を獲得しました。ちょうどブレット・ハートがリック・フレアーを破ってWWE世界王座を獲得しハルク・ホーガンの時代からショーン、ブレットの時代と移行し始めました。そしてサバイバーシリーズ92で2人は対戦。2人の戦いは5年後のサバイバーシリーズ97まで続くことになります。そんなショーンの最初のライバルとなったのはかつての相棒マーティでした。インターコンチネンタル王座獲得前後にショーンはシェリーと別れてロイヤルランブルでのインタコンチ戦で形としてはマーティと結託してショーンを倒そうとするも失敗。1993年5月17日マーティが一矢報いてショーンからインターコンチネンタル王座を獲得しますが6月6日ショーンが奪回して抗争は終わりました。
 マーティとの抗争の間に1人の男がWWEに入団しました。その名はディーゼル。本名はケビン・ナッシュ。ある日ショーンがWCWの放送をみていたとき1人の大男が映ってました。ビニー・べガスと名乗っていたナッシュでした。ナッシュの存在感が気に入ったショーンがビンスに獲得を打診しそのまますんなり入団となりました。そして即ショーンのボディガードとしてデビューしました。その後団体の垣根を越えた2人の友情の始まりでした。インターコンチネンタル王座の獲得とナッシュとのコンビで順風満帆だったショーンにトラブルが発生しました。ステロイドの陽性反応による出場停止処分という。
 「ショーンの名誉のために言っておくけど彼はステロイドをやってはいない。いつも一緒にいたオレが証言するよ。」-ケビン・ナッシュ
 ショーン自身もドラッグや色んな悪さはしていたけどステロイドはやっていなかったと語っています。結局処分が覆るわけでもなく出場停止となり王座も剥奪されてしまいます。決定戦でインターコンチネンタル王座を獲得したのはレーザー・ラモンことスコット・ホールでした。   処分が解けたショーンは新王者ラモンをターゲットにします。自分が負けて王座を獲られたわけではないと語りインタコンチ王者を自称します。こうしてショーンとラモンの抗争が始まり最終決着の場はレッスルマニア10(ニューヨーク・マジソン・スクエア・ガーデン)で行なわれることになりました。決着方法としてラダーマッチが採用されました。
 ルールはどちらかが上にぶら下がった物(この場合はベルト)をラダー(はしご)を使って取るという単純なルールですが当然相手に取らせまいと邪魔をします。反則裁定もなしですから通常許されない攻撃もOKでラダーの使用も当然OK。このラダーの使用がこの試合の重大なポイントで、ラダーを使ったさまざまな攻防で試合を進めていきます。
 厳密にいうとこれがWWE初のラダーマッチではなく1992年にショーンとブレット・ハートとの試合で行なわれたのが最初といわれてますし、1979年にカナダ・カルガリーで行なわれたのが史上初という説もあります。レッスルマニアでのラダーマッチはこの試合が初ですが。ショーン対ラモンではラダーというアイテムをフルに活用したことでラダーマッチ史上最高の名勝負として語り継がれることになりました。ロック対トリプルH、ハーディボーイズ対エッジ&クリスチャンなどラダーマッチの名勝負がありますが彼らがこの試合に影響を受けたのは確かです。なによりもこの試合でみせたショーンのセンスが抜群です。ラダーをリング内に入れようとしたラモンにラダー目掛けてスライディングキックを浴びせる、倒れたラモンにラダー上に登ってボディスプラッシュを浴びせる、あと一歩でベルトゲットとなっているラモンを阻止するためラダーにドロップキックで阻止、ラダーごとラモン目掛け倒れこむなどきりがないほどです。
 「リック・フレアーはいつも言っていた。ショーンはラダーと闘ったと」-トリプルH。
 結局ショーンは負けましたが、高いレベルの試合をみせたことで次期WWE世界候補の一人として名を挙げることになりました。



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: