指揮のおけいこ（岩城宏之）
この人、指揮だけでなくエッセイの才能も素晴らしい。気軽に読めて笑いながら、しかも勉強になる。さすが日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しているだけある。
以下、健忘録。
指揮とは・・・（中略）圧倒的な大部分は、スコアの分析である。つまり、音楽の勉強だという、実に月並みなことになるのだ。
その上で、自分が再現したい理想の演奏を、ひたすら「思う」のである。
指揮とは、この「思い」だけだと言っていいだろう。実は、振り方なんて、どうでもいいのだ。自分が表現したいことが、指揮台の上で逆立ちすることでしか表せないなら、そうすればいい。
誰かが間違ったからというふうに、人のせいにするのは、大マイナスだ。楽員に信用されなくなり、統率力を失う。偉大な指揮者ほど正直に「ゴメン」を言うものなのだ。もっとも、いつも、いつも「ゴメンナサイ」ばかりでは、話にならないけど。
「手」だけでは指揮できない。
「目」だけでも指揮はできる。
ぼくの指揮についての真意を、大マジメに書く。
一、指揮を習うことはできない。
二、指揮を教えることはできない。
三、指揮者には、なるヤツだけがなれる。
四、指揮者になれないヤツは、なれない。
これが全てだ。
という訳で、ただいま逆立ちの練習中♪
・・・んん？？
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