ピンクのカーテン | メタボの気まぐれ

ロマンポルノ黄金期を築いていた日活が1982年に制作した
「ピンクのカーテン」は漫画ゴラクに連載されていた
ジョージ秋山の原作を映画化したものである。

物語は親も縁者もなく、この世にたった二人の兄妹
奥村悟（阿部雅彦）と野理子（美保純）は
アパート暮らしをしている仲の良い兄妹である。

悟にとって妹と一緒の生活はとても楽しかったが
成熟したのにも関わらず兄を男と意識しないで
平気で下着姿で着替えたりする妹に戸惑いを感じた。

翌日、悟は勤め先の同僚・須藤（吉川敏夫）から
直子（萩尾なおみ）を紹介された。
何んと彼女が本気で好きになった相手が実の兄と聞いて
悟はガク然とするのだった。

一方、野理子は妻子ある中年男・三田村（望月太郎）に
夢中で不倫関係に溺れていた。
また悟はキャバレーのホステスになっていた直子を訪ね
彼女に抱かせる代償に金を求めてきた。

数日後、野理子は悟を高級レストランに誘い
そこで知らない女性を連れた三田村に出会ってしまった。
それは野理子と三田村の別れだった。

その晩、酔いつぶれた野理子は全裸になって布団に入ると
悲しみのあまり兄に添寝して欲しいと幼少期の様に甘えてきた。
妹の髪を愛しげに愛撫する悟・・・

妹・野理子を不憫に思う悟であった。

この映画に主演した美保純は本作出演にて
ブルーリボン新人賞、ゴールデンアロー・グラフ賞
日本アカデミー賞・新人俳優賞を獲得するという
ロマンポルノ界で最大の快挙を成し遂げ

日清食品「焼そばＵＦＯ」のテレビＣＭに出演するという
日活ロマンポルノでデビューした女優がＣＭ出演する事は
当時では珍しく、またＪＲ夜行バス「ドリーム号」のポスターに
採用され、掲示していたポスターが粗方盗まれる程
アイドルを凌ぐ人気を博しました。

デビューから約１年後には「男はつらいよ」でタコ社長の娘
あけみ役に抜擢され、テレビでは「はね駒」「北の国から」
「白鳥麗子でございます!」などに出演し女優への道を極め

またエピソードとしてデビュー前に静岡市内にあった
西武百貨店に勤務していた美保純は、デパートの目の前で
静岡駅前地下街爆発事故が発生。
大騒ぎの最中、店内に美保の姿がなく確認が取れなかった。

もしや店外に出た際に爆発に巻き込まれたのではないかと
懸念の声が上がっていたその現場に周囲が騒いでいる光景に
驚いた顔をしている美保が現れた。

実は事故が起きた時間帯は美保の昼休み時間に当たっており
恋人と狐ヶ崎ヤングランドに出掛けデートを楽しんでいて
同僚や上司は安堵するやら呆れるやらだったそうです。