かばじんサロン KABAJIN Salon

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2007年1月のコラムより



「娘 ジャスミンが”多言語”に出会った!」 



 赤ちゃんは生まれつき、あらゆる言語の音を発音する能力を持っているのですが、生後2~3ヶ月から母語で使われる特定の音に耳を合わせていくらしいです。

 日本人にはLとRの音の区別が困難ですが、8~10ヶ月の日本人の赤ちゃんならこの二つの音の違いを聞き分けられるそうですね。
赤ちゃんと母語について、2歳の娘が去年、中国に4ヶ月住んでいた時のある場面で思ったことがあるので、お話したいと思います。


 娘は1歳5ヶ月から1歳9ヶ月の期間、中国の大連に滞在していました。
 大連では北京語が話されます。中国では子供のことを『宝々(baobao)』と呼び、とても大事にされ、子供がする大概のことは多目に見てくれます。 
昔の日本もそうでしたが、子供は皆のものという感じで、
「その格好で寒くないのか。」とか
「顔のその傷はどうしたのか。」とか道行く人皆がお世話を焼いてくれます。電車に乗ろうものなら、両側の席にいる全員が娘に注目しているのではという勢いで、話かけられます。レストランに行けば、店員のお姉さんに抱っこされて、時にはチューされることも…。娘は中国語で話し掛けられると、明らかに不安そうな様子でした。
 その頃の娘の言語の発達状況は、単語や二語を使って話し始めた頃だったので、日本語の音を強く求めていた時に、他の言語で違う音が突然入ってきたので、びっくりしたのでしょうか。そうすると1歳を過ぎると、もう母語の確立が出来ていることになりますよね。

 大連での生活になれた頃、アメリカ資本の幼児教室に通い始めました。
講師は中国人ですが、そこでは英語で話かけられます。第三の言語との出会いだったのですが、
『サンキュージャスミン』
『グッドジョブジャスミン』と褒められることが多かったためか、そう言われると得意そうに振る舞い、あまり不安感はなかったように見えました。
英語に出会った時の反応と中国語のそれとの違いは、中国語には有気音があり、話し方に勢いがあるように聞こえる為、余計に娘はびっくりしたのかもしれません。
 また、昨今は教育テレビでも英語を頻繁に取り上げており、娘には初めての音ではなかったのかもしれません。あるいは、私自身が中国語を話せないため、地元の方に話し掛けられ、気負っている姿をみて、緊張が伝わったのかもしれませんね。

 日本に帰ってきて約半年、2歳2ヶ月になったジャスミンはいまとってもおしゃべりで、次から次に楽しそうに話しています。

(後記)
コラム初登場のじゅんじゅんです。私がまだサロンに通う一お母さんだった頃から、このコラムのファンでした。毎回「う~ん」とうなってしまう程の力作揃いで、また笑わせてもらっていました。スタッフの方は同じお母さんではなく、特別な人なのだと思っていましたが、な~んだ、みんなふつうのお母さんでした! 私も今回書けて楽しかったです。

コラム担当:稲岡じゅんじゅん


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