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2008.02.05
テーマ： 連載小説を書いてみようｖ(10208)
カテゴリ： lovesick
「それで、謙吾は、なんて？」
「『望むところだよ』って。『今日のは一応、宣戦布告だから。悟が１００歩くらいリードしてるのはよく分かってる。でも、俺もそれであきらめられるくらいの気持ちじゃ、もうないんだ』」
宗太郎は少し黙った。
「悟は黙ってうなずいた。それからボソッと、『最強のライバル登場、、だな』って笑った。俺たちも一緒に笑ったよ」
そのときのことを思い出したのか、少し微笑んでから、
「楓のこと好きだっていうやつはそれまでにも、それからも何人もいた。だけど、悟がライバルって認めたのは、謙吾だけだった。まあライバルって言っても、それからも２人は仲良かったし、俺たちみんなで同じようにつるんでたけど。」
「それで、、、謙吾は楓に気持ちを伝えなかったの？」
「ああ」
「なんでだろう？」
「確かに、楓は悟しか見てなかったからな。変にぎくしゃくするよりは、とりあえず、そばにいて、少しずつ気持ちを惹こうとしたんじゃないのかな。悟も、謙吾が楓を映画に誘ったりするのは、許してたし。フェアプレーって感じ？」
宗太郎はこちらを向いて言う。
「だからって、悟が余裕綽々だったわけじゃないんだぜ。楓を謙吾に取られないためには、もちろん、２人でなんて出かけさせない方がよかったはずだよ。だけど、謙吾はあのとおりの男だから、自分がせっかくの謙吾の気持ちを握りつぶすんじゃなくて、楓にもちゃんとその気持ちを量りにかけるチャンスを与えるべきだと思ったんだと思うよ。そのためにかなり無理しててさ。だって、楓と謙吾がデートの日は、必ず試合を入れてたんだけど、荒れてたもんな～。」
と懐かしく笑う宗太郎。
「といっても、それから、謙吾は仕事がめちゃくちゃ忙しくなって、そんなに俺たちとも、楓とも会えなくなっちまったから、なかなか楓の気持ちを惹けるほどじゃなかったな。。ああ、謙吾にはもしも自分のものにできても、寂しい思いさせるだけだからっていうのもあったのかもしれない。で、予定通り、楓が高校に入った時に、悟が正式に気持ち伝えて恋人になって。だから、悟と楓で、あのまま、落ち着くと思ってたんだ。そしたら、悟が、、」
そう、殺されてしまったんだ。楓を遺して。宗太郎は、その話になるのを避けたかったのか、
「ほんと、何があるか、わかんないもんだよな」
とつぶやくように言った。
「謙吾は、まだ楓のこと好きなのかなあ？」
と聞いてみる。
宗太郎は少し考えて、
「ん～、どうだろうなあ。悠斗と飲んだあの時以来、その話してないし。でも、謙吾に女ができたって話も聞かないから、もしかしたら、まだ謙吾の気持ちは終わってないのかもしれないな。」
俺はため息をつきながら、
「そうか。。」
「いや、でも、多分、だからって、何もないと思う。。いや、こればっかりはわかんないか。」
と、俺を軽く凹ませる宗太郎。そんな宗太郎を見ながら、
「で、宗太郎は、俺と謙吾がライバルになったらどっちを応援するわけ？」
と聞いてやると、宗太郎は、ちょっと焦った感じで、
「おまっ、ちょ、、、そういうこと聞く？」
俺が笑うと、
「そうだな～。俺はどっちにしても完全に楓の味方だよ。それははっきりしてる。だから楓が選ぶ方を応援するな」
「なんだよ、それ。それって勝負決まってからの話じゃん」
俺があきれたように言うと、
「でも、まあ、フラレた方のフォローはばっちりしてやるから」
と、俺のほうをしっかり見て言う。
「ったく、完全に俺が負けるみたいにいうなよ」
凹んで言うと、はははと笑う宗太郎。いや、まぢで、凹んじゃうんだけど。。
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「『望むところだよ』って。『今日のは一応、宣戦布告だから。悟が１００歩くらいリードしてるのはよく分かってる。でも、俺もそれであきらめられるくらいの気持ちじゃ、もうないんだ』」
宗太郎は少し黙った。
「悟は黙ってうなずいた。それからボソッと、『最強のライバル登場、、だな』って笑った。俺たちも一緒に笑ったよ」
そのときのことを思い出したのか、少し微笑んでから、
「楓のこと好きだっていうやつはそれまでにも、それからも何人もいた。だけど、悟がライバルって認めたのは、謙吾だけだった。まあライバルって言っても、それからも２人は仲良かったし、俺たちみんなで同じようにつるんでたけど。」
「それで、、、謙吾は楓に気持ちを伝えなかったの？」
「ああ」
「なんでだろう？」
「確かに、楓は悟しか見てなかったからな。変にぎくしゃくするよりは、とりあえず、そばにいて、少しずつ気持ちを惹こうとしたんじゃないのかな。悟も、謙吾が楓を映画に誘ったりするのは、許してたし。フェアプレーって感じ？」
宗太郎はこちらを向いて言う。
「だからって、悟が余裕綽々だったわけじゃないんだぜ。楓を謙吾に取られないためには、もちろん、２人でなんて出かけさせない方がよかったはずだよ。だけど、謙吾はあのとおりの男だから、自分がせっかくの謙吾の気持ちを握りつぶすんじゃなくて、楓にもちゃんとその気持ちを量りにかけるチャンスを与えるべきだと思ったんだと思うよ。そのためにかなり無理しててさ。だって、楓と謙吾がデートの日は、必ず試合を入れてたんだけど、荒れてたもんな～。」
と懐かしく笑う宗太郎。
「といっても、それから、謙吾は仕事がめちゃくちゃ忙しくなって、そんなに俺たちとも、楓とも会えなくなっちまったから、なかなか楓の気持ちを惹けるほどじゃなかったな。。ああ、謙吾にはもしも自分のものにできても、寂しい思いさせるだけだからっていうのもあったのかもしれない。で、予定通り、楓が高校に入った時に、悟が正式に気持ち伝えて恋人になって。だから、悟と楓で、あのまま、落ち着くと思ってたんだ。そしたら、悟が、、」
そう、殺されてしまったんだ。楓を遺して。宗太郎は、その話になるのを避けたかったのか、
「ほんと、何があるか、わかんないもんだよな」
とつぶやくように言った。
「謙吾は、まだ楓のこと好きなのかなあ？」
と聞いてみる。
宗太郎は少し考えて、
「ん～、どうだろうなあ。悠斗と飲んだあの時以来、その話してないし。でも、謙吾に女ができたって話も聞かないから、もしかしたら、まだ謙吾の気持ちは終わってないのかもしれないな。」
俺はため息をつきながら、
「そうか。。」
「いや、でも、多分、だからって、何もないと思う。。いや、こればっかりはわかんないか。」
と、俺を軽く凹ませる宗太郎。そんな宗太郎を見ながら、
「で、宗太郎は、俺と謙吾がライバルになったらどっちを応援するわけ？」
と聞いてやると、宗太郎は、ちょっと焦った感じで、
「おまっ、ちょ、、、そういうこと聞く？」
俺が笑うと、
「そうだな～。俺はどっちにしても完全に楓の味方だよ。それははっきりしてる。だから楓が選ぶ方を応援するな」
「なんだよ、それ。それって勝負決まってからの話じゃん」
俺があきれたように言うと、
「でも、まあ、フラレた方のフォローはばっちりしてやるから」
と、俺のほうをしっかり見て言う。
「ったく、完全に俺が負けるみたいにいうなよ」
凹んで言うと、はははと笑う宗太郎。いや、まぢで、凹んじゃうんだけど。。
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