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2008.02.15
テーマ： 連載小説を書いてみようｖ(10175)
カテゴリ： lovesick
バルコニーの扉を開けると、楓の後姿が見えた。冷えた風が吹いている。こんなに寒いのに、随分長い間いたんだな。楓は、ずっと空を眺めていた。俺も見上げてみるが、曇っていて何も見えない。
扉が開いたことは音で分かっているはずなのに、こちらを向こうとしないということは、きっと。。。俺は、肩でだけため息をつく。
俺はそっと、後ろから近づいて、ブランケットを肩にかけた。でも、まだこちらを向かないので、横から顔を覗く。頬が濡れている。やっぱり。。
「ま～た、泣いてる」
俺は、片方の手で、楓の涙を拭う。
「今度はなんで泣いてるの？また何か悟さんのこと思い出した？それとも、、、謙吾のこと？」
楓は答えない。俺は、軽くため息をついて、
「つ～か、楓の涙も頬も、つめた～っ。いつからここに？風邪引いちゃうよ、中入ろう？」
楓は、ポケットから、メモを取り出して、書いた。
『悠斗に、、、話があるの』
俺は、微笑んで、
「中で聞くよ。手、震えてるじゃん。」
楓は俺の目も見ずに、俯いたままうなずいた。俺は、
「なんだよ、また。。こっちくらい向いてよ」
ぎこちなく、ゆっくりと目に涙をためたまま、上目遣いで俺を見上げる楓。その濡れた瞳に、一瞬で俺の鼓動は跳ね上がる。ずるいよ、楓、ほんと反則。無意識とはいえ、その切ない目つき、かわいすぎる。ここで抱きしめちゃうと、例によって自分に自信がもてないので、ぐっと我慢して、扉を開けて、カーテンの隙間から、宗太郎に合図する。宗太郎はすぐに察したみたいで、移動し、みんなの視線を、カウンターの向こう側にひきつけてくれた。俺はその隙に楓を中にいれ、一緒に客間に入った。俺はエアコンをつけてから、もう一度、キッチンの方へ行き、彩に頼んでココアを入れてもらう。楓が冷え切っていたから。サキさんが、不安そうに、
「さっきはごめんなさい。私、余計なこと、、」
酔いが冷め切った顔をしている。俺は笑顔で受けて、
「どうってことないから、ほんと、気にしないで」
と言って、ほっとしたような笑顔を浮かべるサキさんを残して、客間に戻った。
ココアを渡すと楓は嬉しそうに微笑んだ。畳の上の、小さなテーブルで起動させていたパソコンに、
『ありがとう』
の文字が浮かぶ。なんだか吹っ切れたような顔つきだけど、わかってるよ、楓。話って謙吾とのことなんだろ？ここんとこ、ずっとそのこと悩んでたもんな？俺が、楓を嫌いになるかもしれないって思っていながら、その話をしてしまおうとしてるってことは、もう、俺のこと、いらないってこと？俺は、こんなに、、、こんなに、楓を愛してるんだよ。
楓がゆっくりとココアを飲むのを眺めながら、俺は、あっちこっちに散らばった気持ちをまとめようとするがうまくいかない。
ココアの甘さに少し表情を緩めた楓が、パソコンに向かいなおす前に、言った。
「出鼻くじくようで悪いんだけど、謙吾とのことなら、今日は、、、ちょっと聞きたくないんだ」
楓は、首をかしげて、俺をぼんやりと眺める。
「ごめん。やっと決意したのかも知れないけど、俺が、ちょっと今日は、、」
楓は、少し考えていたが、そういわれては仕方ない、と思ったのか、うなずいた。ごめん。楓。俺、ちょっと、さっきのショックが、まだ冷めてなくて、なんか今日は楓のことも、さらにその話を詳しく聞いて受けるはずのショックも、ちゃんと受け止める自信がないんだ。
「俺のこと、好きだっていう話なら、喜んで聞くけど、、、、違う、、よ、、な、、？」
自分で言っておいて、言い終わる頃には、結局落ち込んでる俺。情けない気持ちで楓を見ると、俺の言い方がおかしかったのか、くすっと笑っていた。なあ、楓、俺、ちゃんと何も知らないフリできてるよな？
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扉が開いたことは音で分かっているはずなのに、こちらを向こうとしないということは、きっと。。。俺は、肩でだけため息をつく。
俺はそっと、後ろから近づいて、ブランケットを肩にかけた。でも、まだこちらを向かないので、横から顔を覗く。頬が濡れている。やっぱり。。
「ま～た、泣いてる」
俺は、片方の手で、楓の涙を拭う。
「今度はなんで泣いてるの？また何か悟さんのこと思い出した？それとも、、、謙吾のこと？」
楓は答えない。俺は、軽くため息をついて、
「つ～か、楓の涙も頬も、つめた～っ。いつからここに？風邪引いちゃうよ、中入ろう？」
楓は、ポケットから、メモを取り出して、書いた。
『悠斗に、、、話があるの』
俺は、微笑んで、
「中で聞くよ。手、震えてるじゃん。」
楓は俺の目も見ずに、俯いたままうなずいた。俺は、
「なんだよ、また。。こっちくらい向いてよ」
ぎこちなく、ゆっくりと目に涙をためたまま、上目遣いで俺を見上げる楓。その濡れた瞳に、一瞬で俺の鼓動は跳ね上がる。ずるいよ、楓、ほんと反則。無意識とはいえ、その切ない目つき、かわいすぎる。ここで抱きしめちゃうと、例によって自分に自信がもてないので、ぐっと我慢して、扉を開けて、カーテンの隙間から、宗太郎に合図する。宗太郎はすぐに察したみたいで、移動し、みんなの視線を、カウンターの向こう側にひきつけてくれた。俺はその隙に楓を中にいれ、一緒に客間に入った。俺はエアコンをつけてから、もう一度、キッチンの方へ行き、彩に頼んでココアを入れてもらう。楓が冷え切っていたから。サキさんが、不安そうに、
「さっきはごめんなさい。私、余計なこと、、」
酔いが冷め切った顔をしている。俺は笑顔で受けて、
「どうってことないから、ほんと、気にしないで」
と言って、ほっとしたような笑顔を浮かべるサキさんを残して、客間に戻った。
ココアを渡すと楓は嬉しそうに微笑んだ。畳の上の、小さなテーブルで起動させていたパソコンに、
『ありがとう』
の文字が浮かぶ。なんだか吹っ切れたような顔つきだけど、わかってるよ、楓。話って謙吾とのことなんだろ？ここんとこ、ずっとそのこと悩んでたもんな？俺が、楓を嫌いになるかもしれないって思っていながら、その話をしてしまおうとしてるってことは、もう、俺のこと、いらないってこと？俺は、こんなに、、、こんなに、楓を愛してるんだよ。
楓がゆっくりとココアを飲むのを眺めながら、俺は、あっちこっちに散らばった気持ちをまとめようとするがうまくいかない。
ココアの甘さに少し表情を緩めた楓が、パソコンに向かいなおす前に、言った。
「出鼻くじくようで悪いんだけど、謙吾とのことなら、今日は、、、ちょっと聞きたくないんだ」
楓は、首をかしげて、俺をぼんやりと眺める。
「ごめん。やっと決意したのかも知れないけど、俺が、ちょっと今日は、、」
楓は、少し考えていたが、そういわれては仕方ない、と思ったのか、うなずいた。ごめん。楓。俺、ちょっと、さっきのショックが、まだ冷めてなくて、なんか今日は楓のことも、さらにその話を詳しく聞いて受けるはずのショックも、ちゃんと受け止める自信がないんだ。
「俺のこと、好きだっていう話なら、喜んで聞くけど、、、、違う、、よ、、な、、？」
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