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2008.04.15
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カテゴリ: let me sleep beside you
「ミリ、大丈夫か?」
ケースケの背中をたどりながら、ゆっくりとしゃがみこんだ(というより、へたりこんだ?)私の肩を、ケースケが抱いて気遣ってくれる。
(ヒロト、、は、ナギコさんと、、浮気してたの?それとも私の方が浮気相手だったの?)
私は、ナギコさんの言葉に、胸がドキドキして、力が抜けて、俯いたまま立ち上がれそうもなかった。そんな私を見て、ケースケは、怒ったように、
「ナギコ、なんで、今そんなこと言うんだ?ミリは、ヒロトを失ったばっかりで、ただでさえ、」
続けようとするケースケを制して、ナギコさんは私の方に近づき、ひざを曲げ、そっと顔を覗き込む。
「ミリちゃん、ごめんね、驚かせて。私は、確かにここに毎週泊まって、ヒロトと一緒のベッドで眠ってた」
ナギコさんの言葉が胸に突き刺さる。私は目を閉じて、体に力を込めた。
「おい、まだ言う気か」
と、ケースケが身を乗り出すのも気にせず、続けるナギコさん。
「でも、誤解しないでね。ただ、添い寝してただけよ。ヒロトがあなたと付き合いだしてから、性交渉は一度も持っていないわ」
恐る恐る、目を開け、顔を上げる私。添い寝・・・?
「そんなこと信用できるか。だって、恋人だった2人なんだぞ?」
ケースケは、バカにするな、とでもいいたそうに、即座に否定する。ナギコさんは、ケースケではなく、私をまっすぐに見据えたまま、
「簡単には信じられないかもしれない。でも、信じてもらうしかない。事実なの。だって、私は、もう、随分前から、女性相手にしか性的興味がもてないから。」

それって、レズってこと?

次から次へと現れる、衝撃的な事実に頭がついていかない。
ケースケは、理解が早く、ナギコさんをそれ以上私に、近づけまいとするように間に身を乗り出す。ナギコさんは、笑って、
「大丈夫よ、そんな。ミリちゃんをどうこうしようなんて思ってないわ」
「信じられない」
ケースケは、冷たく言い返す。ナギコさんは微笑んだまま、ため息をつき、
「何が?添い寝のこと?それとも、私がレズってこと?ミリちゃんに手を出さないってこと?」
答えを待たずに、
「だったら、あなたたちの方は?今まで一緒に寝てたように見えるけど?まさか、ヒロトが死んだばかりで、あなたたちがHしてたわけじゃないでしょう?添い寝じゃないの?」
「俺たちはそうだよ」
「私たちもそうだったのよ」
水掛け論になると思ったのか、ケースケは話を変える。
「大体、そんなに週一で泊まるほどそばにいて、なんで、ヒロトが死んだこと知らなかったんだ?それに知らなかったなら、なんでもっと、どうして死んだとか知ろうともしないんだ?」
ナギコさんは、立ち上がり、
「コーヒーでも飲まない?」
と、慣れた様子で、コーヒーを淹れに立つ。
「おい、ナギコ。話は済んでない」
「長くなりそうじゃない。とりあえず2人とも、着替えたら?ちゃんとこっちで話しましょうよ」
マイペースなナギコさんに仕切られて、私たちは、身づくろいを済ませて、テーブルについた。コーヒーを飲みながらナギコさんが話す。
「私が、最後にここに来たのが先々週の火曜日の夜だった。8日ね。で、泊まった。翌9日の朝から、ある場所に旅行に出て、さっき、戻って来たとこなの。その次の日に、ヒロトは死んだのね?ここに来れなかったから、知るのが遅くなっちゃったわ。」

8日に、泊まって、、9日の朝に帰った。。。
9日。
ヒロトが、珍しく水曜日なのに、私と会ってくれた日。
私が最後にヒロトに会った日。
ヒロトが生きていた最後の日。

ナギコさんは続ける。
「どうして死んだか聞かないのは、聞かなくても分かるから」
私は、はっとしてナギコさんを見た。
「・・・自殺、でしょ?」

・・・この人は、何かを知っている。
そう、ヒロトが自殺するような理由を。
その事実の前には、
ナギコさんが、ヒロトと性交渉を持っていたかどうかなんて、もうちっぽけなことに思えた。


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最終更新日  2008.04.15 02:22:11
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