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2008.04.26
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カテゴリ: let me sleep beside you
闇の中、突然響いたケースケの声に心底、驚いた。

で、一瞬何が起こったのか分からなかった。

とにかく、体が痛かった。

あれだけ、確認したのに、ロープがほどけてしまったらしい。。
なんで?
私は、みっともなく落下して、頭と体をしたたか床に打ち付けていた。

いった~い。ありえない~っ。

とにかく、痛みに顔をしかめ、目が開けられない。

気がついたら、ケースケが駆け寄ってきて、体をゆすっていた。
「ミリ、おい、大丈夫か?どこ打ったんだ?どこが痛い?」
ちょ、だから、痛いって、ゆすらないで、そこが痛いンだってば、って思っても声にならない。

騒ぎを聞きつけて目が覚めたらしい、ナギコさんが、出てくる。
「一体、どうしたの・・・?」
ぼんやりとたずねる声に、ケースケは、心底、怒り狂った声で、
「ナギコ、おまえっ、一体、ミリに何を見せたんだっ?!」
「・・・ちょっと、大きな声出さないで、、頭痛い」
弱弱しい声のナギコさん。
「何を見せたって聞いてるんだ」
「分からない。。多分、私、ミリちゃんが何か、、クスリを」
ケースケの手から力が抜ける。
「ミリが、自分から・・・ってこと?」
「多分ね」
「だけど、お前、油断しすぎだろ?そんな簡単に」
ナギコさんが悪いんじゃない。。私は、目を開け、起き上がろうとして、激痛が走る。
「っつっ。。」
「おい、ミリ、どした??どこが痛いンだ?」
「もう、ケー、スケ、、、ゆすらないで、痛いんだから」
ケースケはほっとしたように、
「よかった、話せるんだな?」
「話せるよ。。。」
顔をしかめる私に、
「どこが痛いんだ?」
「腕」
ケースケがそっと触れると、私は、痛みに顔をゆがめる。
「病院いこ。お父さん、今日は夜勤か?」
「知らない。。でも、お父さんの病院はヤダ」
「なんで?」
「・・・。」
心配かけるし、怒られるし。ケースケは察したように、
「隠し切れないって。救急で行く必要なさそうだし、お父さんの病院で診てもらうのが安心だよ。俺、電話してみるから、待ってろ」

ケースケが私のそばを離れる。私は、ベランダの窓をそっと見た。
ここは、7階。。。

ナギコさんから受け取ったヒロトの闇は、まだ、私の中にたっぷりあった。

私は、そっと2人の様子に目をうつす。

ナギコさんはまだクスリが効いているみたいで、俯いて頭を抑えている。
ケースケは、私からかなり離れている。

だけど、、2人の目の前で・・・?

ごめんね、ケースケ、ナギコさん。
それでも、自分の中の闇にある、死の衝動に突き動かされ、
私は、ベランダに向かって走った。
窓を開け、手すりを乗り越えようとした時に、腕に激痛。

「ミリ!」
後ろから、ケースケに、すごい力で抱きとめられる。
「バカ、何やってんだよ。」
腕の痛みよりも、抱きしめられる力の強さに驚く。慶介は力を緩めることなく、
「死んだりしちゃだめだ。」
と声をしぼって言う。
「いやっ、離して。私、ヒロトのとこに行くんだから。」
もがいてみたって、到底、敵うはずもなく。
「だめだっ」
「なんで?ケースケに、関係ないじゃん。ヒロトに会って謝るんだもん。私こそごめんねって。それから、ずっと一緒にいるんだもんっ」
「そんなことしたって、ヒロトは喜ばない。・・死なないでくれ。俺、ミリを愛してんだ。ずっとずっとスキだったんだよ。だから、死なないでくれよ。頼む」
ケースケの必死の声。愛・・・し・て?・・・なに??

一瞬気が遠くなる。

ふと気づけば、私の両手を掴んでいる、ナギコさん。
不思議と触れられていることでの痛みはない。
そして、「吸収」されていく、ヒロトの闇。
すこしずつ治まっていく高ぶった気持ち。

しばらくたって、私から離れたナギコさんは、私に静かに頷いてから、
「ケガまでは治せないけど、もう、死のうとはしないはずよ」
と、ケースケに向いて言った。闇を取り払われ、正気に戻った私。
「ナギコ、、さん、私、、、ごめんなさい」
「いいのよ」
と、にっこり笑うナギコさん。その様子を見て、ケースケは再び、今度は私を離さないまま、父に電話をかけ始める。

私は、今起こった感情の起伏に、耐え切れず、また、気を失っていた。

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最終更新日  2008.04.26 00:01:04
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