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2008.05.01

３３　～ケースケ～　let me sleep beside you

(2)

テーマ：連載小説を書いてみようｖ(10178)

カテゴリ： let me sleep beside you

目覚めは最悪。
起きた瞬間に、ここがどこなのか、なんでここで寝てるのか、思い出して、
ため息をつく。

朝、自分の部屋から出てきた俺を見て、母はめちゃくちゃ驚いていた。
実家で夜寝ることはまずなく、朝、ミリのマンションから帰ってくることばかりだったから。
「わっ、びっくりした～。」
と、第一声。そして、
「ここで寝てたの？」
「うん。」
とあくび混じりに答える俺の脇から、部屋をのぞいて、
「ミリちゃんは、、？」
俺は苦笑しながら、
「まさか、一緒じゃないよ。ミリはマンションで眠ってる」
母は、さらに驚いた顔になって、
「1人で？」
「ああ」
「大丈夫なの？」
「ああ」
「本当に？」
「ああ」
相変わらず美莉が心配そうな母。一緒に階段を下りながら、
「だけど、急にどうして？ケンカでもしたの？」
「ケンカなんかしてないよ」
母は、朝食の用意をしてくれながら、
「あなたが悪いなら、、ううん、あなたが悪くなくても謝りなさいよ」
ったく、全然、人の話聞いてないし。てか、悪くなくてもって。。俺は自分でご飯を茶碗によそいながら、
「ケンカじゃないんだって」
「じゃあ、なんで？」
「ミリ、もうほんと元気なんだよ。だから、添い寝いらないんだってさ」
「・・そう。それは、喜んでいいことなのね？」
「ああ、そう思うよ。なんだか、好きな人もできたみたいだし」
言いながら、胸が痛む。母はお茶をいれていた手を止め、
「ええっ？」
とこちらを見る。俺は、食べながら頷く。
「その好きな人って、あなたじゃないわけ？一体、ケースケ、あなた、何やってんの？」
その通りだよ、な。何やってんだ？俺・・。
「仕方ないよ、人の気持ちなんて」
「そんなあっさりと、それで平気なの？だめよ、そんなの。ミリちゃんが、誰か、他の人のお嫁さんになっちゃうなんて。」
平気なわけないけど。誰かの嫁さんて、勘弁してよ、母さん。
「そんな気の早い。。母さん、お茶入れてくれよ」
母は急須ごと俺に渡して、
「どうせ、あなたのことだから、また女の子と遊んだりして愛想つかされたんでしょう？」
仕方なく自分で湯のみに注ぎながら、
「してないよ、そんなこと」
「いいえ、そうに決まってるわ。だいたい、あなた、女の子遊びが過ぎるのよ。いくらモデルの仕事してるからって、見た目ばっかり綺麗な女の子に囲まれて。ミリちゃんはね、ちっちゃいし、モデルにはなれないかもしれないけどね、とってもかわいいし、あんないい子いないのよ？小さい時にお母さん亡くしてから、ずっとお父さんと２人で、でも、いつもとても明るくて。お父さんも立派な方で、男1人で、ましてや女の子の子育てなんて、なかなか難しいのに、ミリちゃん、あんなに優しい子に育って。あなたにミリちゃんの良さは分からないの？」
まくしたてる母。圧倒される俺。
母さんて、ほんと、思い込みが激しい上に、全く、俺の気持ちなんてお構いなしなんだから。何年好きだと思ってんだよ。
「そんなこと分かってるよ。だけど、仕方ないだろ？ミリが俺を選んでくれないんだから」
気持ち傷ついて答えてるのに、母さんはまた、
「・・・そうね、分かったわ。そうよそうよ」
「分かったって、何が？」
とたずねる俺に、
「あなたなんかに、ミリちゃんはもったいないわ。ミリちゃんが他の人選ぶのは当然ね」
と、言い捨てて、さっさとキッチンを出て行ってしまう。

うわ、強烈。。

・・・・

母さん、それって、今の俺には、かなり、きついお言葉なんですけど。。？

俺は、ため息をついて、首を振った。