lovesick

lovesick

PR

カレンダー

コメント新着

windsurf4179 @ Re:近況(05/08) お久しぶりです、福岡の加藤です。 何年振…
ぽわぽわ0127 @ Re:近況(05/08) ひろさん! よかった♪たまには近況知らせ…
シゲタロス @ Re:近況(05/08) なんだか凄く久しぶり!! 帰ってきてくれて…
t-nik0618 @ Re:近況(05/08) 良かった、仕事もできるようになったので…
ひかるですが…何か!? @ Re:近況(05/08) ひろ。さん、はじめまして。 こちらでコ…

お気に入りブログ

空想世界と少しの現実 緋褪色さん
きっくまーくのくだ… きっくまーくさん
無限の扉 yuto.さん
room47 shingo4711さん
ココロのまま るーじゅら。さん
     . ☆Yuri☆さん
不況に負けずに肝っ… かわちゃん4729さん
テレビでお馴染みの… 京師美佳さん
食いしん坊のHappyLi… ぽわぽわ0127さん
★★★はるちん garden★… はるちん0707さん
2008.07.15
XML
カテゴリ: takasaki
ホテルの広いバスタブに二人で並んで寝転ぶ。莉花は僕の肩に凭れながら、時折僕の顔を覗き込む。
「なに?」
何か考えてる表情を見て取り、尋ねるけれど、莉花は、
「ううん」
と首をふり微笑みに紛らせる。
「なんだよ、言えよ」
もう一度優しく問いかける。莉花は、身を起こして、僕に向かい合い、少しためらっていたけれど、口を開く。
「先生、浮気したことある?」
僕はぼんやりと昇る湯気を見ていた目を莉花に向け、
「ないよ。なんで?」
手のひらで掬った湯を莉花の肩にかける。事実だから、穏やかに答える。莉花は、同じように僕の肩に湯をかけながら、
「なんでしないの?」
「なんでって・・。莉花を愛してるし、浮気なんて自分に恥ずかしいからだよ」
「自分に恥ずかしい?」
「ああ、心では莉花を愛してるのに、体だけ浮気して、、一時的な快楽に溺れるなんて、想像するだけで、自分で自分が恥ずかしいよ」
莉花は僕の言葉の意味を図るように少し、考えてから、
「じゃあ、ほんとに、一度もないの?」
「ないよ。なんだよ、何度も同じこと」
再度否定する僕に、
「だって・・・」
「ん?」
莉花は、小さな両手の手のひらでお湯をすくってはまた、湯船にこぼしながら、少し恥ずかしそうに、
「だって、、、今日の、先生、、は、、すごかったから」
僕は笑う。
「だから?」
「だから。。これまでは、とっても優しくそっとしてくれてたでしょう?いつも、全然、、激しくなかったから。。あんまり、そういうことに対する興味が少ない人なのかと思ってたの。。だから、、なのに、、今日は、すごかったから、こんなにすごいなら、、本当は、、、私と、、2週間に1回なんてガマンできなくて、、」
「浮気しまくってたんじゃないかって?」
俯きがちにうなずく莉花に、
「ないよ。ありえない。そんなにすごい、すごい、言わないでくれよ。なんだか恥ずかしいよ」
僕は莉花の頬に張り付いた濡れた髪を外しながら、いう。莉花はほっとしたように微笑んでから、申し訳なさそうな顔になり、
「ほんとに、すごかったもん。。、、、私が思ってたより、もっと、先生にガマンさせてたんだね。。ほんとに、ごめんなさい」
「謝る必要なんてないよ、莉花。いつも、十分、満足だったよ。大好きな莉花を抱くことができてたんだから」
僕が頬に伸ばした手を、莉花は両手で包み、手の甲を自分の唇に触れさせる。
「・・でも、一度だけ、ちゃんと謝りたかったの」
僕は親指で莉花の下唇に触れる。バスタブに凭れていた体を起こし、莉花を抱き寄せる。
「分かったよ。だから、もう、気に病まなくていいから」
静かにうなずく莉花。僕は続ける。
「・・だけど・・」
「・・?」
莉花のあごに手を添え顔を上げさせる。
「だけど、、今日、謝られても、、な」
それだけいうと、僕は莉花に熱くて長いキスをする。
「ん・・」
可愛い吐息を漏らす莉花。僕はガマンできず、そっと唇を首筋に移動させる。
「あんっ、せんせ・・・?」
体を這う僕の手の動きに、驚いたような声をあげる莉花。逃れるような動きを見せる。僕は、莉花の腰をしっかりと引き寄せ、
「今日謝られても、ちょっと困るよ。・・・今日は、、ガマンしないって決めたから」
「せ、、んせい、、まさか・・?」
僕は微かにうなずき、
「もう一回、しよ。莉花。おいで」
「こんなところで・・・?」
「いいだろ?もうガマンできない。あとで、もう一度ベッドで抱いてやるから」
「・・一体何回するつもりなの?」
あきれたように尋ねる莉花を、僕に跨らせ、
「さあ・・」
曖昧に微笑んでから、僕はまた、莉花の中に入った。

何度目かの交わりの後、僕は、ベッドで目を閉じたままの、莉花の心臓に耳を当てる。さすがに、ちょっと、ヤりすぎたかな。反省しながら、慎重に耳を澄ましていると、
「先生・・」
と莉花に呼ばれ、顔を上げる。目を開いている。
「つらい?」
と尋ねると、莉花は首を振り、
「大丈夫よ」
「ほんとに?」
「ええ。あんまり、、、気持ちよかったから、余韻に浸ってただけよ。・・もう、お医者様の先生に戻っちゃったの?」
悪戯っぽく笑って、僕に腕を伸ばす莉花。その様子に僕は安心して、莉花の隣に寝、莉花を腕に抱く。
「ごめん、ちょっと、ヤりすぎた。1回だけのつもりだったのに」
謝る僕に、
「謝る必要なんてないよ、先生。私、幸せだった」
という莉花。僕は微笑んで、額にくちづける。
「ありがと、先生」
僕は黙って首を振る。莉花は、やがて、満ち足りた表情で眠りにつく。


・・それは、美莉が、莉花の中に宿った夜だった。


にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説へ ←1日1クリックいただけると嬉しいです。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.07.15 03:15:00
コメント(2) | コメントを書く
[takasaki] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: