帰って来たかえるのへや



    「子(猫)育てって難しい」 (2004年2月23日の日記より抜粋)

不動
真打ち登場。Kaeruの一番のお気にいりだった「不動」ちゃん、雄。


続編ありと引っ張ったが、実はカンナとのぶつかり合いはあれでおしまいだ。
成長期のゴウ(犬)とはいまだ何度でも対決しているが、
もともと大人のカンナとは一気に雌雄は決せられた。
あれからカンナは多少気短かであるとしても、ひどく対処に困る事はなく、
ハッキリ言って「Kaeru命」の忠実な猫だ。
わたしの言う事が良くわかり、かなり従い、
わたしがいつもと違う事をすると心配してついてくる。

あれから例えばわたしが拾った子猫を家に引っ張りこんだ時も
家でご飯が食べられないほど怒っていたが、家を見捨てる事はなく、
1週間もその状態で何度でも家を覗きに来るので、Kaeruが折れて子猫のもらい手を探した。
また、自分の子供の一部がなかなかもらわれていかず半年くらい過ぎた頃、
うるさくなったらしく自分の方が1週間ほど家出したが、結局戻って来た。
カンナは家にではなく、Kaeruについていると信じたからこそ
むこうでもらい手を探さず、途中で心臓が止まってもやむを得ないと
いつも車にのせるとびびっておしっこを漏らす年寄りの彼女を
はるばる高速を走って当地まで連れて来たのだ。

カンナはあれこれ物色したあげく、ついに彼女にとっては納得できる飼い主を見つけたのだ。
だが、彼女のもとの飼い主が悪い飼い主であったとは言えない気がする。
ぶったのは確かだと思われるのだが、
それはいかにもしつけに使われそうなお尻だったと思う。
カンナは嫌がらせをする時以外は初めからまことにお行儀のいい猫だった。
排泄や爪とぎマナーはもちろん、
わたしが彼女がテーブルの上に昇るのを無頓着で叱らなかったり、
自分の胸に乗せて遊ぼうとすると「そんな、人間を踏むなんて...してもいいの?」と
とても戸惑っていた。
カンナが他の猫より人間を強く求める点からも、かなり密接に関わり、
「いいものはいい、悪いものは悪い」とハッキリ切り分けた
しつけをしたんじゃないかなあと想像する。
それに、どの時点からあんな猫になったかは知らないが、
会った当初の性格のカンナを見れば、叩きたくなるのはむしろ当然の反応だと思う。

放浪癖にしてもカンナの子供も皆家出したのはお話しした通りだ。

カンナの子供についてだが、1匹これは失敗したと思う子がいる。
カンナはとても上手に子育てをしているように見えた。
どの子も簡単に基本的なしつけを身につけた。
お互いで転げ回って勝敗の関係ない楽しいレスリングごっこをしていた。
その子は身体が一番小さな子だったが、頭が良くて俊敏で、うまく立ち回っていたと思う。
だが、ある日ぞろぞろと他の子猫が屋外散歩に出たとき、
自分はひとり部屋に残ると言った。
変な子だと思って残したら、Kaeruに甘える事、甘える事。
それが....まったくもってしつこくて、可愛くない甘えになっていたのだ。
カンナにひとり寄り添っている時もちゃんとあったのに、
甘えても甘えても満たされない飢えがその子には残っていたらしい。
体格のハンディを補うためにあれこれ工夫して周囲を読んだ事、
それができる能力があったこと自体が逆にその子のストレスを深めたのだろうか?
もともとそういう可愛くない子といえばそれまでになってしまうのだが....。
けっこう愕然とした出来事であった。







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