ヴィトンの財布


6月の中旬の体育の時間にそれは起きた、
何も知らない私はいつもどうり着替えを済まして4時間目の世界史のために席に着いていた。購買係の人に頼んだ昼食代のおつりを渡されたため、お金を財布にいれようとして気がついた。「ない!」私のお財布がない。
今朝は確かにあった、だってお昼代を払うため、財布からお金を出した。
バックの中を全部出して捜したけれどやっぱりない。
次ぎの授業は担任のS先生だ、わたしの頭の中はパニック状態。なにも考えられない
思わず教室に入ってきた先生に向かって、「先生、私のお財布がなくなってる。」
と、叫んでしまった。
それからなにやら回りがめまぐるしく動き出したようだけれど、「盗まれた」という事実だけが私の頭の中を駆け巡っていた。
次の日から、私は学校にいけなかった。「恐い。」高校生活まだ2年始まったばかり、卒業までこのクラスですごす。修学旅行も一緒だ。「やだ、友達が信じられない」...
私が休んでいる間クラスでは犯人の目星が付き、いろいろあったようだ。
まず、体育の授業は隣のクラスと合同でやる。その時見学していたひとが先生の事情調書をうけた、次に体育の授業に遅刻してきた人、
盗まれたのは私だけではない、ヴィトンの財布をもっていた3人と、その近くの席の財布から1000円の抜き取り、
私のお財布の中には10000円と商品券3000円分
いつもはほとんど小銭しか持っていないのに、その日は運、悪く持ち合わせていた
そのワケは、きのうは父の日、そして今日は、父の誕生日
私はほんのちょっと父になにかプレゼントを買うつもりだった。
それと、母からもらう毎日の昼食と、飲み物代を少しづつ節約してためたもの。
これで、ポロの紺色ハイソックスを買いたかった。
もう1人のヴィトンの財布の持ち主の中身は43000円入っていた。
前日、バイトのお金が入ったばかりだった。この人は、(隣のクラス)
もう1人のヴィトンの財布の中身は約4600円位。
後で分かったことだけど中身じゃなくて、ヴィトン狙いだったんだって。
結局、犯人は...つづく


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