ずっと想われていた話②


それに彼は、とても私を大事にしてくれた。
まだ学生の彼は、福岡の大学に通っていたので、週末ごとに
私の住んでいる熊本まで帰ってきた。

ということは、私の週末の予定は
すべて彼に捧げないといけなくなってしまった。
これは、ある意味とても困ることである。
私には友達だっている。それに、バイトだってしたい。
仕事をしていても、給料は少なかったし。ホントはいけないけど。

それに、彼は私の気持ちを全部欲しがった。
前述通り、私には遠距離中の彼がいた。
付き合う前に、このことは彼に言ってあった。
最近、連絡をとってはいないけど、別れた訳ではないと。
私はずるい女だ。アメリカにいる彼のこともまだ好きだった。
でも、彼はそれでもいいと言ったのだ。

それは、彼の自信が言わせた言葉だってことを知ることになる。
「僕がこんなに好きなのだから、きっと君だって、僕の事を好きだよね」
そう言われて、私は彼が怖くなった。
時間も、気持ちも、すべて彼のものにならないといけないのか。
そう思うと、逃げたくなってしまった。
そんな私の横で、彼は将来のビジョンを話し続ける・・・。

怖い・・・そう思い出して1ヵ月後、私はついに言った。
『昔みたいに、友だちに戻ろう』と。
すると彼は、意外にもすんなりとOKを出す。
「君がそうしたいなら、僕はそうしよう」

ああ、よかった、これで彼から解放された。
そう思った、2日後・・・

「Sくんから電話よ~」と母の声。
私はあせった。なぜ、電話してくるの?
もう、別れたはずじゃないの。

『ね、今度の日曜日、遊びに行こう』
「は?私たち、もう別れたでしょう?」
『そう、だから友だちとして遊びに行こう』
「・・・・・・・・・」
『どうしたの?何か予定があった?』
「私は、友達に戻ろうとは言ったけど、それって別れたいって言ったってことでしょう。
意味分からないの?」
『だから、友だちとして遊ぼうって言ったじゃないか』
「別れたいって事は、もう会いたくないってことよ。
もうあなたの声なんて聞きたくない。TELもかけてこないで!!!」
   がっしゃ~~~ん。切ってやった。

彼がホントに怖かった。普通に話す彼が怖かった。

それから、もうTELは無かったけど、
風の便りで 彼がまだ諦めていないらしいときく。
会わないように祈りながら何年が過ごした。
彼を知る人に会うたびに、近況を聞く。まだ、彼女すらいないよ、とか。
そして、去年、結婚したらしいと聞いた。
やっと、このことも終わったような気がした。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

BGMは、DEENの瞳そらさないでだと嬉しいです。
彼の大好きな曲だったから。
それにこの歌は彼の気持ちを歌にしたみたいだから。

ほーむへ つぎへ もどる


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