神様からの預り子

神様からの預り子

不妊治療

    ●不妊治療のきっかけ

嫁いで半年の間にいろいろな問題が発覚し、精神的にかなりのストレスを受けた。
他県から来た私には夫以外によく知る人は誰一人なかったため、息抜きも出来ず、
ひとり悶々と悩み続けたことも大きく影響したと思う。

年が変わり問題が少しづつ解消されだした頃から、突然ダラダラと汗をかくようになった。
それは友達から聞かされていた更年期の症状にとても似ていた。

今はストレス・不規則な生活・食生活が原因で、
30前半に更年期になる人も少なくないとも雑誌等で読んでいた。
実際に以前の職場の先輩が「40歳の誕生日に生理が上がってしまった」と聞かされていた。
彼女の場合も家庭内に問題を抱えていたそうだ。

結婚後のストレス以外にも、長い間独身貴族を続けてきた私には
不規則な生活・乱れた食生活という点でも確実に心当たりがあった。

(生理が上がるかもしれない!…ということは子供が産めないかもしれない!!キャ~ッッ)

速攻で名古屋の産婦人科で受診することにした。
思い込みの激しいタイプの私は、不妊治療で有名な産婦人科『K病院』を選んだ。
女性を長い事やっている割には産婦人科にかかったことが殆どなく、
順番を待つ間中、(何されるんだろう?あんなこと?こんなこと)と、ひとり緊張していた。
しかし、さすがに有名な病院だけあって待合室にはぎっしりの患者さん。
私の番が回ってくるのに2時間はかかった。
おかげで極度の緊張もいつしかほぐれ、
(もうどうにでもしてくれ…!早くしてくれ…!)という気分になることができた。

診察の結果、「更年期ではない」との解答をいただき胸をなでおろしたのも束の間、
「お子さんを望まれるのなら急がれた方がいいですね。」と
森進一似のハンサムな先生は優しく微笑んだ。
何故なら、私がすでに『○高』いわゆる高齢出産の域に達していたからだった。

私の住む町からは通院だけで往復3時間かかるのだが、後悔だけはしたくなかった。
先輩の「40歳の誕生日に生理が上がってしまった」との言葉が頭に焼きついている私は、
夫を説き伏せ、名古屋への通院を決めたのだった。


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