ヘイフリック限界パート3

ヘイフリック限界パート3

2024.05.12
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どんな樹木であろうと生存競争の中で生きている。少しの差が運命を決めてもしまう。たとえ同じ木であろうと枝は太陽を目指して競い合ってもいる。そして負けた枝は水を断たれて枯れてしまうだろう。生垣の剪定をしたあと枯れた枝を切っていた。よくみると残った枝にも生きている枝と既に枯れた枝がある。枯れた枝は生気を失い炭素化してしまっている。切除してみるとすぐわかる硬いからだ。


 時々間違えて生木を切ると柔らかいのですぐわかる。切ってしまって「御免」といっても遅いがわからず切ることも多いのだ。たとえば柘植の枝をみると何と錯綜した枝になっているだろうか。表面は丸くしたり、水平に剪定して如何にも整然としているようにみえる木だが、中身は滅茶苦茶に枝が張っている。枯れ枝もそのまま残っていて雑然としたワールドだ。


 遠くで見たら美しい緑の木であり、美しい枝にしか見えないが、中身は戦場でもあるだろう。枯木を払いながら、人間社会も運に恵まれず枯れていくような同僚の生き様を見てきたし、私もその一員だった。何と浅ましいことだろうと絶望もしたが、この世界ではどこにでもあることだろうという感慨が湧く。人間社会は、もっと高度な文化だと思っていたが、生垣と同じだろうか。どんな形にでも為政者に刈り取られるままだけだろうか。


 枯れ枝はそのままそこにつながる幹に繋がったままだが、強風が吹けば払われるだろう。それども風の吹かないところではいつまでもしがみついている枯枝もある。その硬さはひとの骨のようでもある。いささか胸が詰まる思いがした。詰まるところ枯枝は排除しなければならない。そうしなければ枯れる原因にもなる。少なくとも生き生きとしてくる。自分の生命もそうしなければならないだろう。枯れたものは捨てねばならない。そうしなければ早死にすることになるからだ。





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最終更新日  2024.05.12 04:00:08
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