HAPPYLIFE@我が家。

7.急展開。



バイトの男の子にバンド活動をしている子(Mくん)がいて

Mくんのライブに誘ってもらった。

友達のライブに出かけるのは、高校以来だったから

ものすごく楽しみだった。

一緒に行くメンバーは5人。

なんと、その中にケンチチもいた!

ケンチチと同じ場所へお出かけできる!

これは確実にしゃべれるぞ。

さらに楽しみ倍増!!

その日から、毎日バラ色になった。

何を着ていこうか・・・

夜ゴハン一緒に食べるんかな。

ケンチチくんの好きなものって?

ワクワクわくわく楽しい楽しい♪

また想像の世界にはまってしまった。


ライブを何日後かに控えたある日、

Mくんとしゃべっていた。

「もうすぐやな。ライブどんな感じの曲なん??

 バイトの子ーらで出かけるん初めてやし嬉しいわ。」

『あれ?ゆーてなかったっけ?来れへん人多いねん。』

「え?そうなん?」

『当日にならなわからん人もおるけどな、

 最悪、ケンチチくんと2人やで~。』


ケンチチくんと2人やで、2人やで・・2人やで・・・・やで・・・・・・。


Mくんの最後の1言が、頭の中でこだました。

ケンチチくんと2人・・・?

あたしとケンチチくんの2人・・・。

・・・・・・。

「ええ!?」

突然の展開にかなり驚いた。

でも当日までわからんってゆーてるし

落ち着くのだ。

その時、

『あ、俺たぶん無理やねん、その日。』

行くメンバーの1人、Zくんだ。

まさかZくんが当日までわからないってゆってた人??

『そーなん?ほんなら当日はケンチチくんとカナネンさんの

 2人やわ~。』

ウギャーーーーーーー(><)

心臓が強くドクンと打ったのを、ものすごく感じた。

顔が赤くなるのがわかった。

ドキドキドキドキ・・・動悸がしている。

Mくんは、さらに衝撃の言葉を続ける。

『ほんなら当日は2人で連絡取り合って来てほしいから、

 ケンチチくんの携帯教えとくわ~。』

けいたい!?

けいたいでんわ!? の番号!?

いきなりそんな急展開、心の準備がまだ!!

と思いつつも、あたしはポケットから携帯を取り出していた。

そして。

・・・ゲットしてしまった。

ケンチチの電話番号・・・。

090*****・・・。

090*****・・・。

何度も画面を見つめ、番号を心の中で繰り返す。

番号はすぐに頭の中にとどまった。

ケンチチの電話番号。

ここにかけたら、ケンチチが出るんや。

あたしの携帯からケンチチの声が聞こえるんや。

ウソみたい・・・。

あたしがケンチチに電話を・・・。

何時にどこに集まるか決めてない。

どうやって行くのかも決めてない。

初めての電話、ちゃんと用事があるから大丈夫。


番号を教えてもらった次の日、

あたしはケンチチの番号を押した。

プルルル・・・・

コールが鳴る。

ドキドキが止まらない。

手も小さく震えていた。

深呼吸をしたその時、

『もしもし』

ケンチチの声が聞こえた。















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