日々のあぶく?

日々のあぶく?

March 2, 2004
XML
カテゴリ:
「池袋ウェストゲートパーク」の作者による小説。
ニキビ面で同級生からジャガと呼ばれる、植物に詳しい少年、幹生は
両親、弟、モデルをやっている妹と「普通」に暮らしていた。
弟が、妹の同級生を殺し、警察に連れて行かれるまでは…
弟は何故女の子を殺したのか、幹生は弟の足跡を捜し始める、そして…

数年前に起きた神戸児童殺傷事件をベースにした話。
弟は13歳、殺人罪には問われない。
過剰になるマスコミ、
罪は罪だけれども、弟を受け止めようとする幹生、
家族の崩壊と団結、いじめと友情、
犯罪者となった弟、残された家族が描かれる。

重い事件を扱っているが、主人公の心情、視点からと新聞記者・山崎の視点から描かれ内外の進み方が分かる構成で読みやすい。
残された家族に対する世間の対応は現実ではもっと残酷な事もあるだろうが、
この話でも充分理不尽な扱いをされている。
その中で真っ直ぐ生きている主人公に力づけられる。

だが、「IWGP」でもそうだが、主人公が普通の様でいて出来すぎである。
物分りが良く、決断力、責任感があって、事件や周囲を受け止める包容力もある。
「普通」に描いているつもりだろうが、これはちょっとうつくしすぎる。
うつくしいこども、のタイトルの意味は別にあるだろうが、
裏テーマのうつくしいこどもには登場人物の綺麗事過ぎる姿があるといいたい。


まぁ、そんなツッコミはありつつも読ませる小説でした





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 2, 2004 09:27:47 PM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: