日々のあぶく?

日々のあぶく?

April 28, 2005
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以前、友人がお薦めしてた本をようやく借りる。

アイルランドの統一を願い活動する(武装勢力)組織・NCF。
和平会談直前、NCFの副議長が南アイルランドのB&Bで殺された。
和平実現を控え、また、組織内の事情もあり警察には通報できない。
外部犯の可能性は薄く、犯人は宿泊客の中に。
過去の事件、組織の思惑が絡み、宿泊客の中に緊張が走る。
その中の一人、日本人科学者・黒川富士雄(フジ)の推理が事件を解いていく。

北アイルランドとアイルランドの歴史、政治的事情をベースに展開する。
カトリックとプロテスタント、イギリスとの関わり、階級制度など、
なんとなくしか知らなかった歴史がわかりやすく織り交ぜられている。
また、北アイルランドのナショナリスト(南北アイルランド統一を目指す勢力)の変遷。
~二大武装勢力、IRA「アイルランド共和国軍」、NCF「新世紀のフィニアン団」今回はその中のNCFのメンバーが中心となった話~
そして、政治的事情を使うことによって、電話は使える、道も通っている、しかし、警察は呼べないと言うミステリの大道設定が無理なく展開される。
(こういう状況を「嵐の山荘」と言うのでしょうか?)
和平賛成派、反対派(武装解除懐疑派)、過去の爆破事件、殺され方が組織の制裁の仕方と同じということ、
名前や身分を偽る人々、組織の雇った殺し屋などの中でフジは鮮やか過ぎるほどの推理を披露。
こんなに出来過ぎ君なんて!と思わせるけど、小気味いいのでまぁ、いいか。
組織が雇った殺し屋の正体はすぐ分かる仕組みにはなっていると思う。
犯人は二転三転、疑わしい人は分かったのだが、決定打が打てなかったなぁ。

表題の「アイルランドの薔薇」
詩人・イェイツは薔薇の木にアイルランドの自由を表現。
「我々自身の赤い血しかない、健全な薔薇の木を育てるのは」という言葉にアイルランドを思う人々の願いがこめられている。





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Last updated  May 3, 2005 06:31:10 PM


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