日々のあぶく?

日々のあぶく?

October 8, 2007
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カテゴリ:
お酒と肴とちょっとした日常の(ゲストの身の回りに起こった)謎を解く連作短編集

こじつけが多かったりもするのだが、読後の感想は”ちょっとやられたなぁ”。
(分かって)読み返してみれば違う印象をもった。
日本ならではのトリックが仕掛けられていたり。

~ネタバレあり~

・Rのつく月には気をつけよう
大学時代からの友人・長江高明、熊井渚、湯浅夏美は長江のワンルームで飲み会をする仲。
今回は夏海の会社の同僚・柏木一重をゲストに、牡蠣とボウモア(ウィスキー)を楽しむ。
謎は生牡蠣に当ったことのある一重の話から、
彼女の思いを寄せた妻子ある男性が妻に生牡蠣を使った罠をはられていたことが浮かび上がる。
長江は悪魔的頭脳を持ち、熊井は雑学王、夏美は詳しくはないが酒飲みと言う設定。

これ、どっかで読んだことあるんだけど(掲載紙ではなく)、どこでだろう?アンソロジー?

・夢のかけら麺のかけら
ゲストは熊井の会社の同期・塚本。チキンラーメンとビール。
チキンラーメンがきっかけで喧嘩した塚本氏と彼女。
そこから、転職してハワイのダイビングショップで働きたい彼と、
彼についていく決心をした彼女の姿があることを長江が指摘。

・火傷をしないように
ゲストは夏美の会社の後輩・須田明日香。チーズフォンデュとシャルドネ(白ワイン)。
バレンタインに義理と称して想い人に100円チョコ5枚を渡した明日香。
お返しは硬くなったフランスパンだった謎が解ける。(チョコフォンデュを一緒にというメッセージ)
…贈った側も贈られた側も、ここまで深読みする人いるか?

・のんびりと時間をかけて
ゲストは長江の研究仲間・赤尾。豚の角煮と泡盛。
別れ、留学してしまった彼女が作ってくれた豚の角煮が失敗作だった訳とは―
これまた深読みのし過ぎと言うか、これで賭けをした彼女はかなりのギャンブラーだったのでは?

・身体によくても、ほどほどに
ゲストは熊井の会社の同期・塩田律子。銀杏と静岡の酒(日本酒)。
銀杏を食べながらプロポーズした塩田の婚約者の意図とは?
・・・これまた微妙
銀杏はおねしょや喘息に利く。

・悪魔のキス
ゲストは夏美の婚約者・冬木健太。そば粉のパンケーキとポールジロー(ブランデー)。
健太の妹の彼がアレルギーの海老で唇を腫らした訳とは?
酒席でのアクシデントではなく、浮気の線が浮かび上がる。
友人思いの熊井と長江である。

・煙は美人の方へ
長江の引越しの日、熊井、夏美夫妻とスモークサーモンとパイパー・エドシック(シャンパーニュ)。
大学時代の長江らのキャンプでの出来事。煙と恋の行方。
長江に想いを寄せる美人と彼女に想いを寄せる男、彼らの恋を取り持った長江の策略。
その根底にあったのは長江の熊井への恋心。
謎を解いてきた長江が最後に解かれる。気付いたのは健太。
今回は長江と熊井の結婚を祝うパーティー。

考えてみれば性別は書いてなく、作中でゲストの彼女の心理をそれぞれが予想していたりしてた。
と、いうことで熊井が女性というのが私がまんまと引っ掛った仕掛け。
分かった上で読み直すと、力強い熊井の女性らしさ?や、
仲いい男友達、ではなく、長江の恋人としての熊井の姿が浮かび上がる。





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Last updated  October 8, 2007 09:46:28 PM


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