日々のあぶく?

日々のあぶく?

May 22, 2008
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ミステリというよりもホラーな感じ、か?
奇談・怪談絵巻と言うのがピッタリである。

祖父江慎の装丁もこれまた凝っていて(奇妙に)面白い。

体調に不安を覚えて深泥丘病院に検査入院した作家である語り手の記憶は薄ぼんやりしていた。
京都を舞台に繰り広げられる、せめぎあう日常と超常、繰り返す怪異と忘却―
忘却の後に覚醒がくるも、それもまた霞がかっていく。

左目にウグイス色の眼帯をした医師・石倉(一)の担当は脳神経科
右目にウグイス色の眼帯をした医師・石倉(二)の担当は消化器科
ウグイス色の眼鏡をかけた医師・石倉(三)の担当は歯科
看護師の咲谷の故郷は私の妻と同じ猫目島

~ネタバレメモ~

・顔
”ちちち”と病室に響く音。
その音は自分の胃の中にある顔からか―!?

・丘の向こう
如路塚線を煙を吐いて走るのは蒸気機関車―でもなく、得体の知れない物体だった。

・長びく雨
二十日以上も続く雨の日、端からぶら下げられたのは、
シーツを被せた死体(=てるてる坊主)だった?

・悪霊憑き
アンソロジー「川に死体のある風景」に載った一編。
水の悪霊を祓われた女が死んだ?
憑き物と殺人が交差。
黒鷺署の神屋刑事登場。

・サムザムシ
歯の激痛に耐えかねて病院へ。
以前、南九州にある家内の郷里の猫目島で治療したことを告げると、
家内と同じく「一生モノのはずなのに」と呟く医師。
かつて虫歯にはサムザムシを寄生させていた―!?

・開けるな
妻が如路塚の古代遺跡で買ってきた発掘セットから出てきたのは鍵だった。
思い出すのは、父方の祖父が住んでた家にあった、祖父が「開けるな」と言っていた鍵がかかった建物のこと―

・六山の夜
八月十六日は「五山の送り火」の日。
今年は六山だという。
六山目になった瞬間、私は眩暈に襲われ見れずじまい。

・深泥丘魔術団
創立者でもあり、深泥丘病院の経営母体である<医療法人再生会>の会長先生の趣味も手伝い、
病院で恒例の<奇術の夕べ>が催されることに。

・声
インフルエンザにかかった私はタマミフルを服用。
庭で聞こえる奇声の正体は妻の言うようにフクロウだったのだろうか?
人面でありはしなかったか?

不思議なものはないのか、
やはり不思議なものだらけなのか
ミステリ作家である私は認めたくないと思いつつも曖昧模糊とした世界に浸かり、
でも、気付くと周囲は怪異などなかったようでもあって―

まだ続くようなので楽しみ。





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Last updated  May 22, 2008 11:10:24 PM


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