日々のあぶく?

日々のあぶく?

November 28, 2008
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カテゴリ:
魔王 」の続編。

検索から監視が始まる―
徴兵制のある近未来。
不倫を疑えば、人を雇い夫を拷問してでも確認しようとする恐ろしい妻を持つSEの29歳・渡辺拓海。
同僚である五反田がほっぽり出した仕事を引き継ぐが、
ただのプログラム変更に見えた仕事には裏があった。
消えた五反田が残したメッセージ、検索することで現れる謎の襲撃者、
相談した友人で作家の井坂好太郎が調べる「播磨崎中学校事件」と安藤商会のつながり、
謎と疑惑と暴力と襲撃…そして、ささやかなる反撃の先に見える真相とは―

タイトルはチャップリンの映画「モダンタイムス」から。
機械化が進み、一つの部品のようになった人間を風刺した映画のように、
一つ一つの事柄、仕事からは全体像が見えなくなっている物語。

「人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい」(by ライムライト)など、
チャップリンの映画からの台詞が利いている。

~ネタバレメモ~

「国家の目的は国民の暮らしを守るわけではなく、動物のように予想もしない現象を引き起こし、
論理的には計算できないもの。突然変異の試行錯誤を繰り返しながら自分がいい残ることだけを考えている生き物」
英雄はその中で時々出現し、国家を動かすこともあるシナリオ(パーツ)の一つ。
システムが力を持ち、魔物を封じ込めた奴が魔物になることも。
皆がしている仕事の全体像が何になるか分からないと言うのが怖さ倍増。
…であるが、現実味がある。

・渡辺拓海 ~桜井ゆかり(彼の能力を狙う一派?)との不倫が原因で、
         妻の依頼を受けた岡本猛に追われる。
         実は能力者・安藤の親族(祖母が潤也の従姉)だったことが判明。
         土壇場で相手を乗っ取り喋らせる(安藤兄)と同じ能力を発現させる。
         検索システムを破壊しようとするが、それすらもシステムの一部、
         誰の仕事を妨害すれば壊せると言うものではなく失敗。
         一連の事件後、北海道へ佳代子と移り住み「見て見ぬふり」をすることに。
         「勇気はあるか?」の返答が「実家に(忘れてきました)」から
         「彼女(佳代子)が持っている、俺がなくしたりしないように」に。
・渡辺佳代子~拓海の妻。岡本を雇うが、自身も武闘派。
         彼女の「何も知らずに仕事だから(拷問などをした)と済ますのは言い訳。
         仕事でも悪いことをするのに開き直ったらおしまいで、悶え苦しまないと。」
         という台詞は印象的。
・大石倉之助~拓海の部下。名前のせいでからかわれるのが悩み。
・五反田正臣~依頼されたプログラミングに興味を持ち、検索してしまったことから視力を失う。
         事件後もシステムに立ち向かうことを決意。

・井坂好太郎~拓海の友人、小説家。
         小説のネタとして「播磨崎中学校事件」を調べ、真相に近づく。
         女性関係にだらしなかったことが原因で、女性に刺され死亡。

・岡本猛  ~佳代子の依頼により、拓海を襲撃したりする。
         同じく検索してしまったことから拷問されてしまう。

・永嶋丈  ~播磨崎中学校事件の時の用務員で英雄。現在議員。
          能力者候補を集め、育成していた播磨崎中学(全寮制)に父母が訪れる。
          そこで、一人の生徒が能力を暴発させ、それが連動し死者多数に。
          事件を隠蔽する為、緒方が父母をテロリストに、永嶋を英雄にして処理。
          その事件に近づこうとする者を排除するプログラムを設定した。
          …そのシナリオに乗っかり、政治家の道を邁進。
          最後は拓海らを助けるも、自身は又「システムの一部」となることに。
・緒方   ~播磨崎中学校の老教師。事件の隠蔽をし、その後の丈をサポートしつつ、
          検索者を消させる。…だが、彼もまた部品の一つ。

・間壁俊一郎~安藤商会に身を寄せていた男。息子が播磨崎中学に通う能力者だった。
          事件の時、彼が死際に「安藤商会」を頼って逃げろと発言したことから、
          事件を知る者のキーワードの一つに「安藤商会」が。

・安藤潤也 ~競馬・競輪などで能力を使って莫大な金を稼ぎ、妻・詩織とともに安藤商会を作り、
          人のためになる金の使い方を模索。犬養元首相に協力することも。死亡した。
          接続情報を得られるシステムの構築にも資金援助したことがあるが、
          それが今回の検索による監視にも繋がってしまった。
・安藤詩織 ~現在70代。
・愛原キラリ~安藤商会のある地の管理人。安藤潤也の従妹。
          相手の思考(言葉)をたまにキャッチできる。
・手塚聡  ~ネットの中傷にさらされた漫画家。現在は詩織のために漫画を描いている。

・犬養~首相となったが、自分もただのパーツでしかないことに気付き、姿を消した。





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Last updated  November 28, 2008 11:12:57 PM


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