風に立つライオン

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第七話 「初ワープ、兄の魂と共に」

第七話 「初ワープ!兄の魂と共に」

N:西暦2210年、地球防衛軍は太陽系にせまりつつある移動性サルガッソーを
  確認した。その調査するため派遣された調査船団は、銀河系中心部で謎の艦隊の
  攻撃を受けた。また火星基地近くのアルカディア居住地区も、
  アスカ艦隊第二空挺部隊の艦載機による空爆を受け、古代の妻子が人質となった。
  密かに火星地下ドッグで蘇った新宇宙戦艦ヤマトは、サルガッソーの調査と
  謎の敵の正体を解明するため、銀河系中心部を目指して発進した。


~火星と木星の中間地点の宇宙空間~
宇宙を航行するヤマト

~ヤマト・第一艦橋~
太田:古代艦長、これよりワープテストに入ります。
真田:完成して間もなく発進したからな。
   新型波動エンジンでのワープは初めてだ。慎重に頼むぞ。
古代:各機関を念入りにチェックしろ!
太田:揚羽、ワープ明け地点の計算をしっかり頼むぞ!
揚羽:ワープ明けは、木星軌道上、衛星イオのS座標131です。
山崎:太助!新型エンジンの性能を十分に考えろ!
太助:わかってます。
太田:次郎、タイミングが全てだ。頼んだぞ!
次郎:は、はい!(かなり緊張している)
揚羽:(次郎君、がんばって!)

島大介(幻想):次郎、おい、次郎!
次郎:に、兄さん!
大介:肩に力が入りすぎだ。大丈夫、お前なら出来る。次元スコープに全神経を集中するんだ!
次郎:わ、わかった。
大介:訓練学校をトップクラスで卒業したお前だ。自信持っていけ!
次郎:ありがとう、兄さん。俺、やるよ!

南武:おい、次郎誰と話してるんだ?
相原:・・・?。
古代:(島、来てくれたんだな。弟と俺達を守ってくれ)
   総員ワープ準備。
艦内アナウンス:総員ワープ準備。総員ワープ準備。

~ヤマト・医務室~
佐渡:さっそくワープかい。ミー君、しっかりつかまっとれよ。
ミー君:ミャオーン。
アナライザー:先生、今度ノ新型エンジンハ、以前ノエンジンヨリモ、
       ワープノ際ノ衝撃ガ少ナイトキイテイマス。
佐渡:そんなもんあてになるかい!初めてなんじゃから、何が起きるかわからんわい!
(3つも4つもベルトを締める佐渡先生)
アナライザー:マッタク信ジテナインダカラ。

~ヤマト・第一艦橋~
山崎:波動エンジン異常なし。エネルギー120%。
真田:ワープ10秒前。自動制御システム作動。
(大介が次郎の手に手を重ねる)
次郎:(兄さん!)
(頷く大介)
次郎:5、4、3、2、1、ワープ
古代:ワープ!

異次元を航行するヤマト。
歪む艦内、光と時間の錯綜。
木星衛星イオの上空に出現するヤマト


南武:成功したのか。
太田:ワープ終了。
真田:船の損傷認めず。
古代:次郎!やったぞ!
次郎:はい!ありがとうございます!
(微笑みながら消えていく島大介)
次郎:(兄さん、ありがとう)
揚羽:(次郎君、良かった!)

~ヤマト・機関室~
徳川:機関長!新エンジン異常なしです。
   すっごいぜ、この船は・・・。
山崎:うむ。

~ヤマト・第一艦橋~
真田:艦長、このペースでワープが可能なら、速度を上げたサルガッソーにも
   かなり早い時期に到達できる。
古代:太田。銀河系中心部に何が起きているのか、一刻も早くつきとめたい。急ごう。
太田:揚羽、航路計算だ!
揚羽:はいっ!5分以内に終わります。
真田:さすが訓練学校を首席で卒業しただけある。大したもんだ。
相原:ユキさんが乗ってるみたいだもんな。
古代:・・・(ユキ・・・、タケル・・・)。
太田:相原!艦長の前だぞ!
相原:いっけね、すみません、艦長。
古代:いや、構わん。次郎といい揚羽といい、新人がここまでやってくれると頼もしいよ。
全員:(頷く)

N:その頃銀河系中心部の調査船団では・・・。
~銀河系中心部・戦艦イスカンダル主艦橋~
乗組員A:まもなくサルガッソーの重力場圏内に達します。
艦長:重力場の影響を受けない距離を保ちながら、調査準備を開始せよ。
乗組員A:わかりました。
艦長:調査巡洋艦テレザート前へ。
乗組員B:テレザートS131へ連絡します。

~スサノオ帝国 銀河系外周艦隊旗艦・ダーデル艦~
スサノオ兵:ダーデル指令。反世界太陽系3番惑星地球の調査船団を確認しました。
ダーデル:よし。反粒子砲発射準備。
スサノオ兵:反粒子砲発射準備にかかります。
ダーデル:あれしきの艦隊、一発で充分だ。

~調査船団・巡洋艦テレザートS131艦橋~
乗組員A:調査用ソナーシステム発射準備完了。
乗組員B:目標、上下角修正±3.
艦長:発射!
乗組員A:発射!
サルガッソーに向かって行くソナーシステム
乗組員B:重力場シールド、スイッチON!
乗組員A:艦長、姿勢制御成功です!操作制御回路、確認に入ります。

~戦艦イスカンダル主艦橋~
乗組員B:艦長、テレーザートS131より入電。
    『調査用ソナーシステム、セット成功せり。』
篠原艦長:よし、全艦ソナー調査開始せよ!
乗組員A:艦長!前方に未確認艦隊確認!距離5000。
篠原艦長:何?気付かなかったのか!
乗組員A:ワープインです。
篠原艦長:ううむ。
乗組員A:ミサイル接近!
BOWAANNN!!!
乗組員:うわあぁぁ~!
爆風で吹き飛ばされる乗組員
乗組員C:左舷後部に被弾!
BOBOWAANNN!!!
乗組員C:続いて右舷に被弾!
BOWAANNN!!!
調査船団に次々命中するミサイル

N:新型波動エンジンのワープテストに成功したヤマト。
  しかし、サルガッソー調査船団はスサノオ帝国ダーデル艦隊の奇襲を受けた。
  捕虜になったユキとタケルの運命は・・・。
  太陽系に迫るサルガッソー。その脅威が地球に最接近し人類滅亡まで、
  あと100と45日、あと145日しかない。


続く


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