ココ の ブログ

建築家45年(15)

建築家45年(15)

 「私は人を差別しない。唯、区別をしているだけだ」と言って差別と区別とを使い分ける人が居るが、その持つ意味は全く違って危弁を弄しているだけだ。差別とは明らかに相手を見下した場合であって、分類の一つである区別に上下差を意識的に加える見方である。だから幾ら言葉のあやで誤魔化しても差別する心情は見え見えである。そういう人を見下す人は、実は自分も何かで差別され劣等感を持っている被害者意識が心の何処かに在る場合が多い。深層心理の一つの表れである。よくある話では中国人、朝鮮人、台湾人を称して第三国人と言う人が居るが、殊更それを強調する人は自分も実は第三国人の血が流れている場合が多く、それを隠す意味で言う。東京都知事がマスコミでよく第三国人とか支那人という発言をして物議を醸す事が多いが、実は彼もその血が流れているという噂があり、こだわっているのだろう。

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 ボクなんかに言わせれば馬鹿な事にこだわるものだと想うが、そもそも日本人のルーツがモンゴロイドなのだから中国人や朝鮮人や台湾人も日本人と同じ種族なのに何処が違って差別の根拠になるのか馬鹿馬鹿しくなるだけである。まあ、人間は他人よりも少しは上に居ると想いたいものだから何処の国でもそういう意識はあって永遠に消えない人間の性なのかも知れない。理屈では分かっていても感情が伴わないのである。そういう事は幾らでもある。しかし、露骨に人を不快にする言動は慎まなければならないのは言うまでも無い。それは一種の犯罪の様なもので、それが原因で戦争になる事すらあるのだ。平時は何事もなく平和な雰囲気であっても非常時には時として人間の嫌な面が表に出、人々をして暴動に駆り立てる事もある。ユダヤ人とパレスチナ人の対立も政治が生み出した対立だけに馬鹿げたものだ。

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 イスラエル建国が原因して戦後60年ほどのパレスチナとの対立は矢張り、武力では無く政治的解決でしか問題は収まらないだろう。ところが、後ろに西欧列強がつていて複雑な国際政治が力比べをしているだけに、簡単には解決せず、パレスチナを支援するイランをイスラエルが攻撃して原発施設を破壊するだろうという噂が流れ、もしそうなれば中東は再び戦争状態になってしまう。石油を巡る国際勢力が裏で操作して世界の原油価格を動かしているのだから差別に名を借りた対立構造を作り上げ、それで金儲けをし、人殺しまでするのだ。度し難い人間ばかりが傍迷惑な事をし、国連は機能せず、結局は弱肉強食の構図が大手を振って歩きまわるのである。我々日本人では手も足も出ないのだろうかと悔しい想いに駆られる。そのせいでガソリンが値上げしてしまう。つい先年までリッター100円だった。

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 それが今では140円前後で推移し、アメリカも日本の半額だったのが日本の価格にまで近づいて慌ててハイブリッド・カーの開発をし、挙句は電気自動車の時代に入ったと言われる。その電気も原子力が危ういとなり、自然エネルギー(太陽光、風力、水力、波動、地熱など)による発電方式に切り替えようと躍起になっているのが現代社会である。だから結局、福島原発事故の話に戻るのだが、それをどうするかの問題が根本的に解決しないまま、東電や政府は除染とか冷却水だけで誤魔化しで先が観えないままなのである。自分の国の事すら解決出来ない日本が世界のトラブルに率先して参画するというのもやや懐疑的に成らざるを得ないが、唯我独尊では地球では生きて行けない以上、世界と協調して行く事で何か知恵を得て解決の方向性を見いだせるかも知れないという淡い希望を持つしかないのだろう。

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 長年建築家をやっていて想うのは、もし仮に建築家ではなく絵描きにでもなっていれば政治の事なぞ気にもせず、毎日ボーっとして風景や生物を眺めて暮らしていたかも知れないという事だ。それが幸せであるかどうかは知らないが、世の中の雑多な事を気にせず生きて居られるなら少なくとも自分自身の内面では平和で居られる。つまりは逃げの人生であるのかも知れない。逃げの人生を選ぶ以上は生意気な事は言えない。人の支援(パトロンが居たり絵を買ってもらう事)を受けて生きているから文句は言えないのだ。唯ひたすらに美を追い求め、旅行をしながらスケッチに明け暮れる事が出来るならば幸せである。20年ほど前に亡くなった友人が「俺の夢は、ゴルフ場巡りをしながら旅行する事だ」と言って居たが、この夏の月例会コンペでその話をプレイ中に言うと「そういう夢は、破れる」と言われた。

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 確かに趣味でゴルフを楽しむ人は居ても、毎日ゴルフばかりしていても詰らないだろう。プロゴルファーは仕事だから楽しむというよりも如何に勝って賞金を得るかで悩み多い人生だろう。それが勝負師の人生なのだ。プロゴルファーは腐るほど居る。だからプロにならずにアマチュアで上手で居る方が楽しいだろう。仲間内では名誉にもなる。だからこそ楽しいのであって、毎日、仕事もせずゴルフ三昧では嫌になるのが落ちである。だから夢は夢のままである方が良いのだ。ボクの人生目標は生涯現役だが、最近では体力的に若い頃と同じ様には行かなくなって週の半分が仕事というのが良い。合間はゴルフとか買い物に出かけたり飲みに出掛けるぐらいなもので、それが老人の生き方としては良い方なのだろう。45年の建築家人生を無駄にしない為にも、この先良い仕事をしたいという欲も未だ残っているから矢張り惚けずに生きたいものである。

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