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異常社会(3)

異常社会(3)

 「おでき(吹き出物)と会社は大きく成れば成る程、潰れるのも速い」という諺がある。国家も同じ事が言え、まさしくロシアがそうだった。日露戦争後に革命が起き自滅してしまった。日本は何とか帝政ロシアに勝ったものの、その後ソビエト連邦に生まれ変わったロシアは周辺国を属国として新生ロシアの共産党中央政府が周辺国を覇権するようになった。しかしながらロシアは日本に負けた屈辱を決して忘れる事はなく、第2次世界大戦で敗戦が決まったばかりの日本に乗りこんで日ソ不可侵条約(平和条約)を破棄し、宣戦布告をし北方領土を力づくで奪い取ったのだ。出来れば北海道も欲しかった処だが、流石にアメリカの反対で押し留まった。そういう火事場ドロボー的なやり方は日本人は決して忘れないだろう。だから未だにロシア嫌いな日本人は多い。

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 今では国際的に日露関係は上手く行っているように見えるものの、ロシアは北方四島の返還には慎重で、虎の子である四島をすんなりと返す気はサラサラ無い様に観える。こんな美味しいカードをみすみす捨てる訳が無いのである。国際法上は日本の領土であっても実効支配している方が有効権を発揮できるから実質的にはロシア領土になってしまっているのだ。それに似たのでは韓国の実効支配になっている日本海の竹島がある。韓国ではドクト(独島)として教科書にも載っていて軍隊が駐留して居て国民は自国の島だと信じている。日本が幾ら日本の領土だと言っても信じない状況である。一方、中国が狙っている東シナ海の日本の領土である尖閣列島を巡って、日本と中国の攻防がある。其処には豊富な海底油田がある事が分かっているからだ。

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 その海底油田を巡って中国が先行して勝手に掘削を始め、既に本国へ原油を移送し始めているのである。一言の断りも無く掘削を始めた中国に日本は一応、抗議はしているが本気で言って居ないから馬耳東風である。旺盛な日中貿易を考えれば日本は中国に遠慮すべきだと勝手に決め込んで、日本政府もその気迫に負けているのである。亦、日本の親中派がその事で日中貿易に摩擦が起きないように日本政府と外務省に圧力を掛けている。言わば売国奴が威張って居る状況である。日本と言う国には売国奴がウヨウヨ居て、アメリカやロシアや中国にゴマを摺って、日本では偉そうにして自分こそ愛国者の代表であると威張って居る風景が観られる。かつての自民党の閣僚がそうだった。今では民主党の実力者と呼ばれる連中がその役割を担っている。

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 何の事は無い、政権が替ってもやっている内容は同じで、むしろ悪くさえなって居るのである。我々は腐ったリンゴを取り除く事で伝染を防ぎ、新しい政治が期待できると信じて先の総選挙で民主党に大量の票を投じたのではなかったのか。それが見事に騙されたのである。となれば次回の総選挙では現政権はひっくり返るだろうとは大よその予想である。だから二年後の落選・失脚を恐れ、民主党はだんまりを決め込み、政権にしがみ付くだけの無能な党首は居直って、思いつきパフォーマンスを繰り返すだけである。それで日本は空白の四年間を無為に過ごす事になる。お蔭で福島原発の事故処理も遅々として進まず、被害者の補償すら東電は大地震と津波の自然災害に依るものだとして自己責任を放棄してしまっている。

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 それは中国のやり方と変わらない。いや、日本の原発処理を中国が真似ている節さえ感じるのである。是は権力者の組織犯罪と言える。官僚や政治家が結託して自分の保身の為に現政権を維持させようとして良いも悪いも関係なく自分達に有利なものだけを取り上げて行くやり方である。たまたま世界女子サッカーで日本のチーム「なでしこジャパン」が優勝した事を取り上げて彼女等に国民栄誉賞を授与しようという。国民受けするブームに相乗りをしているのだ。授与は喜ばしい事だが、現政権が事業仕分けで「1位ではなく、2位では駄目なんですか」と彼女等のチームに是まで付けていた補助金をカットし、ゼロにしてしまった直後だけにバツの悪い話ではある。都合の良い処ばかり選り好みしているようでは国民は白けてしまうばかりだ。

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 政治に騙される国民社会は今に始まった訳では無く、昔から同じ事を繰り返しているから、国民は今度こそはと望みを託しながら半信半疑で選挙に向かう。疲れ切った国民は何も期待しないから投票所へ行かない。かくして投票率が半分になってしまう。それが目安になってしまっている社会も困ったものだが、投票率が高いというのも曲者で、ブームに乗せられてと言うか一種のパニックやヒステリックな状態での高投票率も怖い。戦前の大政翼賛会による国民運動によって社会が一つの方向に向かった挙句がヒロシマ・ナガサキであったとするなら、そういう異常社会にブレーキを掛けなければ我々は同じ過ちを繰り返す事に成る。尤も、その頃のスローガンで「贅沢は敵だ」というのを皮肉って「贅沢は素敵だ」と言い返したユーモアが生きている限りは少しは望みはある。(つづく)

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