ココ の ブログ

月例会Golf(2)

月例会Golf(2)

 たまたまプロの様な良いプレイが出ただけの事なのに、そのまぐれプレイのせいで他の3人は圧倒されてしまったのか、午後からの彼等のゴルフは崩れてスコアも伸びなかった。高が遊びなのに三人とも競争意識が強かったのだろう、我が出てしまって本来の腕前が発揮出来なかったようだ。ゴルフは如何に平常心でボールを打つかというスポーツだけに何とか相手に勝とうという気持ちが出てしまうと力が入り過ぎたり慾が出て集中力が乱れ、たちまち崩れるのだ。自分で経験している人には理解できる事だが、普通、ギャラリーが観ていて「あんな短いパットが入らないのか」とプロのプレイを批判して笑うが、本人にすれば物凄いプレッシャーが掛かっていて、とても平常心で打てない状態なのだ。プロでさえそうなのだから我々素人が月例会で腕を競っている時にプロの様な良いプレイを見せつけられればどうなるだろう。

Golf-06 月例会Golf(6) 直ぐに右へドッグレッグしている狭いフェアウェイ。

 考える迄も無く、大きなプレッシャーに成った筈だ。最初は冗談ばかり言って油断していたが、飛んでも無い奴が同じ組に入ったものだと。ボクなんか10年間のブランクがあったのを偶然誘われ、去年から再開したのだから今も慣らし運転中の様なものだけに良いのも悪いのも出て仕方が無いと割り切っているのに他の3人にとって、そうでは無かったらしい。お蔭でボクは自分のゴルフが出来、是までに無いプレイとスコアが出せたものの、それでも成績順位は先月と同じ4位だった。それよりも急に押黙ってしまった仲間のプレイの方がボクにとっては面白く無かった。ボクは相変わらず冗談を言って居たのに、その返事さえも無かった。相当ショックだったのだろう。本来、ゴルフは楽しんでやらなければ打目だ。腹の内でどう思おうと少なくとも表面上だけでも紳士として機嫌よくプレイするのが仲間への礼儀というものだ。

Golf-07 月例会Golf(7) 長い下りのフェアウェイをカートから観る。

 それでこそイギリス紳士が考え出したスポーツなのだ。皮肉のスポーツと言われる由縁だ。こちらが良く成れば相手が悪く成る。相手が良く成ればこちらが悪く成る。どちらも良いというものでもない処が面白いのだ。だから一組4人で廻るのにハンディキャップ合計は4人で100以内という原則がある。上手いシングル級の人は別にして、ハンディキャップ25位なら4人で丁度上手く釣り合いが取れてプレイも遅れず早過ぎず廻れるからだ。25という事は97で廻れる事になるからボギー・ペースよりも少し悪い程度だ。ビギナーは90から100辺りの間が一番楽しい頃で、90を切り出すと慾が出て顔つきも慎重になって来る。つまり油断すると直ぐにボギーがダブル・ボギーになって90をオーバーしてしまうからだ。こんな筈では無かったと自分を責め、悔やまれるのだ。特に日本人はスコアに拘る人種だと言われている。

Golf-08 月例会Golf(8) 前の組がホール・アウトしたばかりのグリーン。

 かつてのボクもそうだった。多い頃で週に2度はコースを廻っていてまっ黒けに日焼けしていて左手だけが白かった。当然ながらスコアも上がって行った。掛けていたチョコレートを獲ったの獲られたのと騒いだものだった。それでも仕事はチャンとしていたから誰からも文句は言われなかった。ボクに嫉妬し快く想わなかった連中もゴルフに熱中していたから仕事で妨害するしか無かったのだろう。が、仕事は結果がモノを言うから幾ら弁解をした処で成績が上がらなければ評価はされない。今回のゴルフで一緒になった相手は冗談を言うのを止める事でボクにプレッシャーを掛ける事よりも自分に気合を入れていたのかも知れない。それでプレイが良く成ってスコアが上がれば良かったのだが、リズムを崩してしまうと逆に頑張っても駄目なものは駄目なのだった。平常心こそ一番大切なのである。

Golf-09 月例会Golf(9) 前の組がホールアウトして、少し遅れ気味になった状態。

 サラリーマン時代の成績を上げる事が相手にプレッシャーを掛ける事になるのと同じ現象だと想った。相手にとって結果が凡てなのだった。しかし、ボクにとっては成績よりも楽しさが大事だった。楽しいゴルフをするにはスコアもあるが、如何に良いプレイが出来、綺麗な球筋が描け、想った処にボールを落とせるかなのだ。グリーンに乗ればパターは別なのだ。プロセスを楽しむのだ。勿論、パターの面白さも難しさも面白く大事なものだ。スコアの半分はパターが占めるからだ。だからこそ、パターが一番面白いという人も居る。アメリカのゴルフ教室で先ずパターを教えてゴルフの楽しみを覚えさせるというぐらいで、日本の殆どのゴルフ練習所の教室でドライバーを振り回させるのとは大違いである。コースでは先ずドライバーを使うから、最初に失敗すれば後々まで尾を曳くのを嫌うからだろう。

Golf-10 月例会Golf(10) 前の組のパター風景が観え、やっと追いついた風景。

 そう言えば、ボクの冗談に返事をしなくなった相手は最初からドライバーを持たずアイアンばかりで打っていたのを想い出す。彼は自分のプレッシャーに負けていたのか、ドライバー病に掛かっていたのだろう。ドライバー・ショットが右や左に曲がる癖から脱せない病気に掛かって居たのかも知れない。続く、スプーン(3番ウッド)やクリーク(5番ウッド亦はユーティリティ・ウッド)もバッグには入って居たが一度も使わなかった。だからボクがティー・ショットでスプーンで打ち、セカンド・ショットもスプーンで打ったのが2オンしたのが余程ショックだったのだろう。豪快なショット・スイングが出来無く成ればゴルフの面白さは半減してしまう。そういう事が頭にある相手と一緒にプレイしたのが不幸だった。サラリーマン時代、ボクに妨害ばかりして消えて行った同僚の事をふと想い出してしまった。(つづく)

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