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9月5日NHK教育TVの芸術劇場でグリモーが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」が放映された。
今年のパーヴォ・ヤルヴィ率いるフランクフルト放送交響楽団の来日公演のうち、6月3日にサントリーホールで演奏された録画。前にユロフスキ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとの競演の CD
について書いたときも大感激したのだが、今度は映像が見られて更に感激ひとしおであった。
今をときめくパーヴォ・ヤルヴィの指揮とあって、見る前から興味津々だったが、スラックス姿のグリモーの入場で期待が高まる。髪はポニーテールですがすがしい。
CDでもそうだったように、第1楽章第1音から魅せられる。堂々とした弾きっぷりだ。しかも実に慎重で、噛み砕くように音を確かめながら弾いているのが手をとるようにわかる。「皇帝」のタイトルにふさわしいスケールの大きな演奏である。テンポが実に良い。ヤルヴィは速めにオケを引っ張っていくが、グリモーはぴったりあわせながらも、ソロではしっかりしたテンポで、崩さずに弾ききっていた。
第2楽章が白眉であった。これ以上はありえないという優しさにあふれたテンポ。メロディーの微妙に音を遅らせるタイミングが完璧に曲想にマッチしていて、あふれる情感に浸ることができる。まさに夢の世界だ。
第3楽章は速めのテンポによる力演。オケとのかけあいをバシッと決まったテンポで楽しめる。ピアノ協奏曲の真髄を味合わせてくれる。ベートーヴェンの曲の奥深さをまたまた見せ付けられた。
ヤルヴィの指揮は颯爽としていて、テンポも明確、大変高い表現力を持っている。楽団員によると演奏の都度、表現が変化するので、しっかり見ていないとついていけないというが、オケも変化に対応する能力が大変高くなっているようである。
このあと、放映ではブルックナーの交響曲第7番がヤルヴィの指揮で続く。大曲なので、まだ録画を観る時間がとれていないが、楽しみである。このプログラムは芸術劇場の快挙と言えそうだ。
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