株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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政府の動き(企業法関連)


政府は、商法から企業組織法制の部分を独立させた「会社法案」を閣議決定
した。企業合併・再編を促進するため外国株を合併対価として認めるものの、
外資に対する警戒感が自民党内で強いことから、06年予定の同法施行から
1年間凍結、企業側に防衛策整備の準備期間を与えることにした。また、
ライブドアによるニッポン放送買収問題で関心が高まっている敵対的買収に
ついても、企業の防衛策を強化。最低資本金の規制も撤廃し、1円で会社を
設立できるようにした。

同法案は、企業活動の国際化や合併、組織再編の活発化に対応するため、
商法の一部と有限会社法などを統合して策定された。現行法では、企業合併の
際に消滅会社の株主に支払う対価は存続会社の株式に限定されているが、
同法案は現金や外国株を含む親会社株も対価として認めた。ただ、自民党
から「時価総額の大きい米国企業の株で日本企業が乗っ取られる」といった
懸念が相次いだため、実施時期を遅らせた。

また、敵対的買収への防衛策として、買収者の議決権比率を引下げる
「ポイズン・ピル」や、拒否権付き株式(黄金株)などを導入しやすくする規定も
盛り込まれた。具体的には、発行済みの普通株を毒薬入りの議決権制限付き
株に一挙に変更することを認めた。買収者以外の株主に自動的に株が交付
される新株予約権の発行も認められる。企業側は1年間の凍結期間で、
これらの防衛策導入を検討することになる。ただ、防衛策導入に対しては
「経営者の保身に使われる」との反対論も多い。このため、経済産業省と
法務省は5月にも、株主利益や企業価値を損なわない合理的な防衛策の
指針をまとめ、毒薬条項などの乱用に歯止めをかける方針。

一方、有限会社を株式会社に統合するほか、株主が出資範囲でしか責任を
負わない(有限責任)株式会社と企業内自治が大幅に認められる組合との
中間的な組織「合同会社」を創設、1円起業制度とともに中小ベンチャーの
創業も促す。同法案は22日に国会に提出され、審議が順調に進めば、
06年中に施行される。


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