海外旅行紀行・戯言日記

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ナルシソ・イェペス


12才でバレンシア音楽院に入学、20才で名指揮者アルヘンタに見いだされ、マドリードでロドリーゴ≪アランフェス協奏曲≫を演奏し、センセーションを巻き起こした。25才の時、ルネ・クレマンの名画≪禁じられた遊び≫の音楽をギターのみで支え、その音楽と共に一躍世界に知られる所となった。

彼は、その名声に安住することなくスペインギターを芸術の域に高めたセゴビアのギター奏法にも異を唱え、音量の小さいギターはセゴビアの指を丸める奏法では無く、指を立てて強く弾くことで弱点を克服するべきであると主張し実際に演奏している。又、従来の6弦ギターでは無く10弦ギターであった方が最適な和音を得られるとし、実際の演奏でもその使用を続けている。

コンサート活動を続ける一方で、エネスコには指揮法を、ギーゼキングにはピアノ奏法を学ぶことで音楽を深める努力をしている。バッハを演奏する為には、ギターでなくリュートの方が良いかも知れないと判断するとリュートをもマスターしてかかる等、常に自身の音楽を作る前向きの姿勢を惜しまず、現代最高のギタリストとして名声を得ることになった。
日本人ギタリストでも、彼の門を敲いた人は大勢となっている。


Lute
バッハのリュート組曲の録音は1972年、45才の円熟期に行われたが、10弦ギターを使用している。やはり、音量は強いが音色が硬い感じがするが、それは彼の音楽に対する主張だと考えれば納得出来るものと思う。


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