海外旅行紀行・戯言日記

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ボードレール


ボードレールの生涯は、泥沼の中から逃げ出そうとはせず、現実を直視し続けた人間の生涯でした。殆ど唯一のと言って良い詩集「悪の華」は、ほぼ20年間に作られた詩の総集です。散文詩集「パリの憂鬱」は生前には纏まった形で発行されませんでした。
彼の確立した象徴派の技法、一つの彫像がもう一つの彫像を呼び起こすことが出来ると言う、非常に流動的で一種の暗喩的な描写法です。

「パリの憂鬱」50編の中の第33編に“酔い給え(Enivrez-vous)”と言う散文詩がある。

常に酔っていなければならない。それこそ唯一の問題である。汝の両肩を圧し砕き、汝を地面の方へ圧し屈める。怖るべき時間の重荷を感じまいとするならば、汝を酔わしめてあれ。
さらば何によってか? 酒によって、詩によって、はた徳によって、そは汝の好むままに。ただに、汝を酔わしめよ。
・・・
≪今こそ酔うべきの時なれ! 虐げらるる奴隷となって、時間の手中に堕ちざるために、酒によって、はた徳によって、そは汝の好むがままに、酔え、絶えず汝を酔わしめてあれ!≫

Il faut etre toujours ivre. Tout est la: c’est l’unique question. Pour ne pas sentir l’horrible fardeau du temps qui brise vos epaules et vous penche vers la terre, il faut vous enivrer sans treve.
Mais de quoi? De vin, de poesie ou de vertu, a votre guise. Mais enivrerz-vous.
・・・・
≪Il est l’heure de s’enivrer!  Pour n’etre pas les esclaves martyrises du temps, enivrez-vous; enivrez-vous sans cesse! De vin, de poesie ou de vertu, a votre guise.≫



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