独り言ポツリ

独り言ポツリ

その7



父は大工の仕事をしていた。
他人のしたで働くことが嫌いだったから、
一人で棟梁をしていたし、手伝いをもらうこともあった。
でも、よく手伝わされたのは、私と弟。
重たい木材を運ばされたり、
なんていうか、ほんと下っ端の仕事をさせられていた。
鉄砲(自動で釘をうちつけるやつね)の釘詰めとか。
夏休みはほとんど手伝いに行かされた。
現場にもだ。
私は喘息もちだと知ってるのに、
ほこりや木屑の舞うとこを掃除しろといい、
帰ってきてから発作を起こすことも多かった。
重たい木材や、道具、いろんなものを運んでいた。
おかげで、手はごつくなった。
もっときゃしゃな手がよかったよ。
一日まるまる働いていても、
漫画一冊あればいいほう。
昼飯くわせたんだから、お金なんかいらねーだろーが!!が口癖。
誰が飯をくわせてやってると思ってるんだ!も口癖。
お前なんか生まれてこなきゃよかったんだ!も言われたなぁ。
家で仕事をするときは、必ず手伝わされた。


家に友達を呼ぶことを許してはくれなかった。
私は主に自転車で友達の家に遊びにいっていた。
でも、門限というものはなかった。
これはとてつもなく大問題。
父親が帰ってくるまでには家にいないといけないからだ。
父親は自由業。
何時に帰ってくるかわからない。
夕方4時ごろ帰ってきて、私がいないと、
「どこでだれと何をしてたのか」事細かに聞き出す。
気に食わないときは、虐待。
かえるとき、駐車場に父親の車があると、
おびえて玄関のドアをあけたものだった。
そこで怒鳴り声がしたら、虐待決定。
何もなければ、怒らせないように、子供部屋でじっとしていた。

電話も自分ででればいいのに、
わざわざ呼びつけて、電話にださせる。
「誰だ?何の用事だ?」
おまえがでろよ。。。
たとえ子供の友達からの電話でもそうだ。
事細かに聞き、あら捜しをし、
虐待するチャンスをねらっている。

父が虐待するときは、目つきがちがう。
目が血走り、顔は鬼のようだった。
力仕事してるだいの大人が、
おもいっきり暴力ふるったら、どうなるかなんて考えてもいない。
「犬にえさやってこい」
「お前が面倒みろ」
全部いやなことは押し付けられた。
動物が好きだったから、したけど。
でも父は動物を虐待することまでした。
子猫がふらーっと家にきたとき、どうしたと思いますか?
呼び寄せて、寄ってきたところを、
子猫の頭をおもいきりなぐり、
脳震盪を起こさせて、ふらふらしながら逃げる子猫を、
笑いながらみていたのだ。
またあるときは、マシンガン?
BB弾がでるやつで、猫を撃ったりしていた。
飼い犬でさえ、虐待していたから、
飼い犬はいつもおびえていた。

暴力でしか解決できない可哀想な大人である。
そんな人は親になる資格などないし、
それを見てみぬふりをする親も、
子供を作る権利なんてない。


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