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アルバイトを休んでまで、同行してくれる彼らと暫く行動を共にします。 強い日差しの中を歩きながら、先ずは、簡単な朝食をとにかく摂ることにして、小さなレストランへ。 パン、ゆで卵、コカコーラを注文します。 日本からのお客さんにお金を払わせることは出来ないということで彼らが支払います。 私はお客さんではない。ただ出会っただけなのになぁ。 朝食を済ませて、宿探し。 誇りっぽい路上をうろついていると、3人目の男が近づいてきました。 一緒にいた2人の青年と知り合いのようにも思えるし、他人のようにも見えます。 第3の男は、食堂を経営していて、しきりに紅茶を飲んで一休みしていくように提案してきます。 日本の感覚が残っているので、かなり汚い店に見えます。 遠慮することにします。 パキスタン初日ということで少々疲れ気味。 また、多くの人に煩わされているので、これまた少々疲れる原因です。 お昼頃、YMCAに到着します。 今日の宿は、ここに決めます。 3人のパキスタン人は、部屋まで付いて来てくれます。 「夜、パーティーを開くので来てくれ。」 「夕食をご馳走するから、夕方迎えに来る。」等、言ってくれます。 親切心からなのか、何か思うことがあるのか全くわからないところが面白いところです。
2005.05.05
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列車に乗り込んでみますが、なぜか違和感を感じます。 車両は、客車というより、有蓋車の貨車のような感じです。 乗っている人は、見慣れない服装をしています。 これらは、なんとなく異様な雰囲気を感じる原因ではなさそうです。 客車の中は、3人がけのクロスシート。 板張りです。 見慣れない日本人がいるということで、座っている人が席を譲ってくれます。 有りがたく座らせてもらうことにします。 私たちの周りに出来る空間。 私たちに集中する乗客の視線。 体を乗り出して見ている人もいます。 先程から感じていた違和感の原因がわかりました。 それは、「男」。 乗客は全て「男」なのです。 異様な雰囲気の原因がわかり一安心です。 原因が分かるとわかると、今までの不安な気持ちが飛んでいきます。 8時40分、終点のカラチ市駅に到着です。 みんなが握手を求めてきます。 友好関係の樹立に成功です。 これも縁です。 愛想良く握手をして座席を立ちます。 いつまでも、汗ばんだ感触が手の中に残ります。 同行してくれている二人の親切な青年は、どうも学生のようです。 「今日は、日本からお客さんが来たのでアルバイトを休むことにしました。」とは彼らの弁。
2005.05.04
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ホームにいる全ての人が、こちらに向かって歩いてきます。 既に40~50人の人が周りに群がっています。 そのうちの一人、年配の方が、話し掛けていきます。 「どこからきたのか?」 「日本から。」 「勉強に来たのか?」 「遊びに来た。」 私が答えるごとに、年配の方は、群集に向かって、ウルドゥー語と思われる言葉で、私の言葉を通訳します。 そのたびに、群衆がうなずきます。彼らの目は、鋭く有りますが、とても人懐こくも有ります。 少し離れたところで新聞売りの人がホームを歩いています。 一人の人が新聞を買いました。 新聞を読み出すと、10人くらいの人が彼の周りを取り囲みます。 彼の広げた新聞を、表から裏から、あるいは頭の上から読み出します。 おかげで、新聞を買った人は、椅子に座って、新聞を大きく広げて読まなければなりません。 7時55分に列車が入ってきました。 かなり混雑しています。 乗り込むことにします。 なぜか、何となく異様な雰囲気がします。 違和感と言った方がいいかもしれません。 何が異様な雰囲気の原因なのか初めは分かりません。
2005.05.03
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駅に到着です。切符を購入します。日本円にして7円位。 鉄道は、発達していて、かなり頻繁に旅客列車や貨物列車が通過します。 ここでまたパキスタン人の男が近づいてきます。 日本に来たことがあるという青年と知り合いで、二人でなにやら話し始めます。 想像するに、これから日本人を案内するのだとかなんとか言っているのでしょう。 この先、この男も加わり、行動を共にすることとなります。 プラットホームには線路からよじ登りました。 手を着いたホームの端っこが、濡れていて、手が汚れてしまいます。どうして濡れているのか暫くして分かりました。 辺りかまわずつばを吐き出す人がとても多くいます。 少々ぞっとしましたが、こんなことを気にしていては、ヨーロッパまで歩いていけません。 駅舎も屋根もないホームは、朝の光の中で清々しく見えます。 ホームでは既にたくさんの人が列車を待っています。 突然、ホームにいる人たちが、こちらに向かってゾロゾロと歩き出します。 向こう側のホームに立っている人たちもこちらに向かって来ます。 ホームのずーっとはずれの方からもやって来ます。 とても壮大な光景です。 すべての人が一斉にこちらに向かっています。 思わず身震いしそうになりますが、こんなこと気にしていては、ヨーロッパまで歩いていけません。 みんな、頭にはターバンを巻き、裾が膝までもあるシャツとだぶだぶのパンツ。 斜めから射す柔らかい朝の光の中で、見慣れない服装の人がゾロゾロと異動してくるこの光景は、異国の場面設定としてはこれ以上のものがないと思えます。
2005.05.02
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カラチ空港の待合室で見知らぬパキスタン人に声をかけらました。 親切にもカラチを案内してくれるとのことです。 私は、困っていたわけでは有りませんが、折角の申し出は、これも何かの縁かなとの思いに至ります。 彼等を信用することにして、暫く行動を一緒にすることに決めます。 空が白み始めます。 暗い闇の中から浮かび上がってくるものが有ります。 駐車場、店、樹木、人間等が次第に現れてきます。 旅の幕開けです。 空は晴れ上がり、素晴らしい一日が始まりそうな予感がします。 カラチの街までどう行ったらいいか全く分かりません。でも、途方にくれることはありません。 先程の青年が付いていてくれます。 彼らと一緒に出発です。 空港の正面の通りを歩いて、先ずは、鉄道の駅へ向かうことになります。 早朝の散歩は気持ちがいい。 空港の待合室でうろうろしていたぼろ布に包まれた女性も我々の後を一緒に付いて来ます。 「バクシーシ」と言いながら付いてきます。 その女性は、私のバックパックの紐を後から引っ張ったりします。 彼女の口からは、とめどなく言葉が流れてきます。 よく聞いていると、哀願の言葉のようでもあり、祈りの言葉のようでもあります。 コ-ランの調べなのでしょうか? 駅に向かう道路上には、赤いしみのようなものが点在しています。 ちょうど、こさじ一杯ほどの赤黒いインキを1メートル位のところから落としたような感じがします。 傷口から滴り落ちる血の跡のようにも見えます。 朝の光を浴びた爽やかな空気と、小鳥のさえずりの中にあって、一層不気味さが目立ちます。
2005.05.01
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パキスタンへの第一歩を迎えてくれるものは、おびただしい数の鳥でした。 闇の中で姿は見えませんが、鳴き声がすごい。 濃紺の空が少しずつ明るくなると空をバックにして木立が浮かび上がってきます。 鳥の鳴き声は、そこから聞こえてきます。 頭上に気を取られているので、足下に横になって寝ている人に気付くのが遅れます。 砂地の地面に、寝ている人が何人もいます。 気持ち良さそうです。 前の広場はまだ空港の敷地内です。 広場をぐるっと回って歩いていくと、きれいな建物が有ります。 照明も十分で明るく、どうも空港の待合室のようです。 椅子に座って体を休めます。 ふと気が付くと、ぼろぼろの布にくるまれた子供を片手に抱いている女性が、近付いてきます。 女性の服装もぼろぼろで、さらに、手の先までぼろ布で包まれています。 手を私に差し出して何か話し掛けてきます。 「バクシー」とかなんとか言ってるように聞こえますが、小さな声なので聞き取れません。 待合室には、赤や、黄色の服やベールでカラフルに美しく着飾った人々もいます。 かれらに、物乞いの女性はどう映るのでしょうか? 突然、声を掛けられます。 声の主の方を向くと、パキスタン人らしき青年が二人立っています。 一人の青年は日本へ行ったことがあるとのことです。 もう一人は、今ドイツから帰国してきたばかりとのことです。 二人ともジャケット姿に腕時計をしています。 日本に来たことのある青年は、親切にも、私をカラチまで連れて行ってくれると申し出てくれます。 突然、私は日本にいるパキスタン人の友人が、旅の前に私に語った言葉を思い出します。 「パキスタンで困ったことがあったら、腕時計をはめて背広を着ているインテリに話し掛けよ。必ず力になってくれる。」 この二人は、インテリに見えます。
2005.04.30
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これがアジアなのかと思い、胸がワクワクしてきます。 これが生存競争なのでしょうか。 人口過剰と食糧不足のもとでは子供も含め必死で生存競争に参加しています。 パキスタンへの第一歩は、この戦いとの遭遇になりそうです。 早くも襲い掛かる不安と漠然とした恐怖。 この先、街の中を、人の中を無事歩いていけるものなのでしょうか? 自分の荷物やポケットに気を配り、旅行者目当ての詐欺師から自分を守れるのでしょうか? 今その縮図が目の前に展開しています。 1時間以上、税関の手前で躊躇。 出口の先に広がる人間のカーテン。 旅客の方に目を向けてみよう。 カラフルな家族がいます。赤や黄の衣装を身にまとっています。 頭には明るい色のベールをかぶっています。ベールの中に顔が在り、顔は暗くてよく見えませんが、目が光ってきれい。神秘的で美しい。 頭に白いターバンを巻いている人もいます。丈の長い白いシャツを着て、裾をパンツの外にたらしています。パンツはだぶだぶで薄い白布でつくられています。 これをパキスタン服というのでしょう。 とにかく外に出ることにします。 税関は、混雑しています。 スーツケースの人や帰国者が入念に調べられています。 私は、貧乏旅行者なので、フリーパス? 小銃を手にした軍人の横を通り過ぎると、人びとが群がってきます。 荷物を持とうと言ってくる人がいます。 私は、バックパックを背負っているだけで持って貰う荷物がないので、あまりわずらわせられることなく外に出ることが出来ます。 パキスタンへの第一歩を迎えてくれるものは、おびただしい数の鳥です。 闇の中で姿は見えませんが、鳴き声がすごい。
2005.04.29
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これから、一緒に旅してみたいと思います。 3月8日、日本発。 パキスタンインターナショナル航空の飛行機内部は、いきなり香辛料の臭い(香り?)がして、気分はエスニックです。 パキスタンの南の街カラチまで、途中、マニラ、バンコクに停車して、15時間かけて行きます。 いまどき、こんなに時間をかけていく人がいるのでしょうか? 時間をかけただけあって、徐々に、南アジアへの気持ちが高まります。 9日早朝3時半に、カラチ空港に到着です。 さっそくパキスタンへの入国手続きをします。 荷物を受け取る所の先に税関があります。 税関の20メートル程先が、建物の出口です。 まだ暗くて外は見えませんが、暗さの中に、ザワザワとなにやらうごめくものがあります。 よく見ていると、人が見えてきます。一人二人ではありません。 十人か五十人か。たくさんいます。 そういえば、インドの旅行案内書に書いてあることを思い出します。 「空港から外に出るときは気をつけるように。ポケットや手荷物から注意をそらしてはいけない。周りにすぐたくさんの人が群がってくる。立ち止まってはいけない。荷物運びの人に荷物を持っていかれ、靴磨きの人に靴を磨かれてしまう。等々」 目の前に広がる光景と、このインドの旅行案内書の記述がダブってきます。 これがアジアなのかと思い、胸がワクワクしてきます。
2005.04.28
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私は、毛沢東の肖像画を正面に見ている。 飛行場の端にある建物の正面に掲げてあるその肖像画は十畳敷き位在りそうだ。 飛行場には複葉機が一機駐機している。 ここは北京空港。私は、2ヶ月あまりのパキスタンからギリシャまでの旅を終えて、羽田へ戻る最後の中継点に降り立ち、今までの旅を思い出す。 いろいろなことが、くるくる螺旋形になって、頭の中を駆け上る。 人を寄せ付けない砂漠の荒涼とした色から、遊牧民の着飾った色までいろいろな色が織り交ざって、頭の中を駆け巡る。 パキスタンからカイバル峠を越えて、ソ連侵攻前のアフガニスタン、バーミヤン、パーレビ国王のイラン、そして文明の十字路トルコ、ギリシャへと陸路を旅する。 パキスタンのカラチから、ギリシャのアテネまで、総費用286ドル、2ヶ月弱の旅。 これから、一緒に旅してみたいと思います。
2005.04.27
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