サイボーグ023

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第8話 トイレ事情 



火焔山の北、木頭溝(ムクトゥク河)の断崖にある。
断崖の側壁をきれいにくりぬき、整然と窟が並んでいる。
現存するものは80数窟あり、
その半数ほどに「西方浄土」や「涅槃図」などの仏教説話が描かれている。

が、高昌国が元(げん)に滅ぼされた後、
イスラム教の影響で大きな破壊被害を受ける。
さらに、20世紀初頭に欧米列国、日本などによる
略奪、無断持ち去りで相当数の美術品が散逸してしまった。

傷ついた(特に顔に対して)壁画をカメラに収めたいだけど、
窟内はすべて撮影禁止。
見張り役の子どもがうろうろしてる。
やっぱ学校行ってないじゃん。

おかしさをこらえきれず戻ってくると、
入り口の脇に西遊記のモデルの塑像が建っており、
その奥には本物のラクダが数頭たむろしている。
うん、なかなか絵になる。
ちょっと満足。

ホッとしたら、最悪の生理現象が襲ってきた。
尿意をもよおしてきたんです。
ようやく陽が陰ってきて、やや涼しくなってきたのか、
ビールを飲み過ぎたのか・・・。
どうしようか迷ったんだけど、
思い切って行ってみました。

なぜかって?
皆さんに言っておきますが、
どこへ行っても中国のトイレは筆舌に尽くしがたいんです。

恐る恐る入っていくと、が~ん!
最悪中の最悪!
掘っ建て小屋の中の砂地に大きな穴がひとつ。
そこにすべての排泄物が入っており、ハエがぶんぶん。
視覚的にも臭覚的にも聴覚的にも
絶対味わいたくないシチュエーション。

それにしても、
どうやって、あんなにうまく穴の中に”大”ができるんだろう?

やっぱり、中国人は器用だ!


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