サイボーグ023

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第22話 オアシス


途中、多くのオアシスを通過するが、
この辺りのオアシスは日本の農村集落の「散村」に似ている。
オアシスが近付いてくると、
緑の木々に囲まれた集落と、
その周りをとりまく畑や水田が見えてくる。

運搬にロバを使っている以外は、
ほとんど人力による農作業みたい。
暑い太陽の下で黙々と働く姿を見ると、
観光にやってきて
「暑い、暑い」って言ってるおじさんが恥ずかしくなる。

オアシスの内部に入ると、
両側を緑の並木で覆われた独特の風景になり、
木陰が涼を誘う。
場所によっては、たくさんの人が歩いてたり、
何かを求めて集まったりしてる所がある。

そんな中を、TVゲーム感覚で
ひょいひょいとかわしながら運転するドライバー氏。
ひやひやの連続で、
足がブレーキを探して空足を踏むことが多く、
しばし暑さを忘れる。

「さすが、中国」。
人命より車優先の流れなんでしょうか?
オアシス内部はドライバー氏が運転することが多いんだけど、
どう考えてもおじさんの方が安全運転だと思う。

途中、干田(ケリヤ)と策勒(チラ)で休憩。
どちらも比較的大きなオアシスで、
中心には店が建ち並び、そこそこの賑わいを示している。
セメント、モルタル、タイルなどを使った建物もあり、
町はずれにあった土塀に板屋根の家とは違う。

そこで見つけたおもしろいものが二つ。
一つは店先に吊された羊肉。
冷蔵庫が無いから仕方無いんやろうけど、
ハエはもちろん、ハチまでたかってる。
なかなか・・・食欲が無くなる光景です。

もう一つは高さ10mくらいはありそうなモニュメント。
茶色の石の土台に立つ、
白い石膏のようなもので作られてる二人の人物像。
一人は「毛沢東」で
もう一人はウイグル族の偉い人らしい。
にこやかに握手している姿を強調せなあかんくらい、
人種間の問題が複雑なんだろな。

ワンさんによれば、
漢民族とウイグル族を含む少数民族との融和は最大のテーマらしい。
そういえば、中国の紙幣の図柄には種々の民族が描かれている。

これだけ外観も言語も宗教も違うんだから、
クリアするのは大変難しいテーマだと思う。


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