サイボーグ023

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第32話 道路事情


再びランクルに乗り込む。
しばらくメインストリートを走ると
先ほどの大きな交差点にさしかかった。

今日ホータンから走ってきた道は
タクラマカン砂漠の南を走る
「西域南道」といい、
この交差点が分岐点で
北に行けば「天山南路」に戻る。

ここでちょっと説明しておくと
西安から始まるシルクロードは
敦煌で北路と南路に分かれ
南路が「西域南道」で
北路はトルファンで天山山脈の
北を通る「天山北路」と
南を通る「天山南路」に分岐する。
その「西域南道」と「天山南路」が
再び交わる場所がヤルカンドになる。

車はこの交差点を直進、
つまりカシュガルへ向けて進む。
道路は比較的広く、 珍しく
アスファルトもしっかりしてる。

何で珍しいかって?
それは、この「西域南道」では
簡易な舗装道路が多く
信じられないことに
一部分だけアスファルトが無い箇所が
突然(標識も無く本当に突然)出現するから。

当然のことながら
速度を落とし損ねた車内では
その衝撃で頭を天井に打ち付け
お尻を硬い座席にめり込ませる
なんて事はしばしば発生。

「どないなっとんねん?」って尋ねたら
崑崙山脈から流れ出した雪解け水が
タクラマカン砂漠に向かって流れ出し
毎年違った場所で自然の河になる。
で、橋も無く、洪水になると
その河と交差する部分の
アスファルトだけが無くなるんだって。

「ああ、なるほど」とは思いながらも
さすがは中国と再認識させられるのは
おじさんだけですかね。




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