PR
小市民伯爵
苦し紛れに書いた「タウンページ」の読書感想文。 平和すぎる世界の地球防衛軍を描いたショート劇場。 脱力必死のシュールなお絵かきがあります
中国に負けるな！高…
New!
alex99さん
『ギフテッド Season…
嘘つきな太陽さん
反対の意思を示す。
はおめい1542さん
”おま毛屋敷” まきろん★さん
せんぷりちぇ♪ ＡＡＫＯさん
『ギフテッド Season…
嘘つきな太陽さん反対の意思を示す。
はおめい1542さん”おま毛屋敷” まきろん★さん
せんぷりちぇ♪ ＡＡＫＯさん
Comments
Keyword Search
▼キーワード検索
2004.07.05
テーマ： ★つ・ぶ・や・き★(544998)
カテゴリ： カテゴリ未分類
はぁ・・・憂鬱だなぁ。
こういうときは彼女に励ましてもらおう。あ、いないか。
いや、なければ創り出せば良い。人間には妄想という最終兵器がある
もやもやもや
どうせならロマンチックな展開にしておこう。校舎の屋上を思い浮かべる。
時間帯は夕方。呼び出される私。
屋上へのドアを開けると彼女が後姿で待っている。そして振り向く
「来てくれたのね」
「それは来るさ。遺書なんか書き残されては、放っておけないよ」
「あれね。嘘よ。あなたをおびきよせるための罠」
「わ、罠…。ほ、他に言いようはないのか」
「私…あなたに言いたいことがあってここに来たの」
「なるほど」
「私、あなたのことがゴキブリよりも好きだわ」
「あまり嬉しくない告白だね。もうちょっとストレートに言ってくれないか」
「ゴキブリ嫌い」
「そっちに行っちゃったか。俺のことはどうなんだよ」
「別になんとも思わない」
「わざわざそんなことを言いに屋上に来てはいけないよ」
「何か大きな力に操られてここに・・・」
「まだ力が足りないか。わかった。千円あげるから、ちゃんと役割演じて」
「もう千円お願いするわ」
「なんで妄想なのに、お金を請求されるんだ・・・」
「何か言った？」
「じゃ、ちゃんとやってくれよ。もう困ったナァ」
「私あなたのことが好きなの」
「ちょっと淡白だな。具体的にどういうところが好きなのさ」
「そうね・・・体育座りが日本一似合うところ」
「変化球で来ちゃったね。それにあまり嬉しくないな。哀愁漂ってるよ」
「でも、なかなか、正三角には座れないわ」
「他のことにしてほしいな」
「じゃ、私、あなたが、シャーペンの芯をいれるとき、頭からじゃなくて
お尻から入れるところが好き」
「ど、どうして？」
「頭から入れると、不器用なあなたならキャップや消しゴムを吹っ飛ばして
なくしてしまうに違いないわ。そうしないのはあなたが身の程を知っているから
そういうところが素敵だと思うの」
「うーん、いい線だと思うけどいまいち、グっとくるものがないね」
「細かいわね。じゃぁ、いつも人と会うと、一歩後退りしてから
そのあとにっこり笑うところが好き」
「悪口に聞こえるのは気のせいかな。他にあるだろう。
ハンサムだとか、心が綺麗だとか、優しいとか・・・」
「え、嘘でもいいの？」
「おいおい。それはないだろう。もっとちゃんと俺を見てくれ。
他にもいいところがあるはずだ。俺もよくわからんが、頑張れ」
「じゃ、しばしば靴下を反対に履いているとこ」
「却下」
「廊下を歩くとき、窓側のぎりぎりを歩くところ」
「何がいいたいんだよ！悪口じゃなくて、誉め言葉を言って欲しいんだ」
「誉められる所がないってのは素敵だと思うの」
「なんだそりゃ」
「誉めるべき人なんてのは世界中にいくらでもいるわ。
だけど、誉めることがないなんて、そう滅多にあるものじゃないわ」
「うーん、誉められてるのか、嫌味を言われているのか」
「誉めてないわ。でもあなたみたいな人がいるおかげで、なんだ、自分は
あいつよりはましだ、と思えるはずよ。つまり存在するだけで
この世に生きる人の最大の慰めになるのよ。それってすごいわ」
「あぁそう。まぁいいや。ありがとう。よくわからないが、気が楽になった」
「人の光になって生きることね」
そう言うと彼女は、夕焼けの空気に溶けて消えてしまった。
最後の言葉が何度もリフレインされる。あまり良い言葉ではない、と思った。
というか・・・全然ロマンチックじゃない。なんだこりゃ。
どうして妄想の世界なのにここまで言われるんだ。
こういうときは彼女に励ましてもらおう。あ、いないか。
いや、なければ創り出せば良い。人間には妄想という最終兵器がある
もやもやもや
どうせならロマンチックな展開にしておこう。校舎の屋上を思い浮かべる。
時間帯は夕方。呼び出される私。
屋上へのドアを開けると彼女が後姿で待っている。そして振り向く
「来てくれたのね」
「それは来るさ。遺書なんか書き残されては、放っておけないよ」
「あれね。嘘よ。あなたをおびきよせるための罠」
「わ、罠…。ほ、他に言いようはないのか」
「私…あなたに言いたいことがあってここに来たの」
「なるほど」
「私、あなたのことがゴキブリよりも好きだわ」
「あまり嬉しくない告白だね。もうちょっとストレートに言ってくれないか」
「ゴキブリ嫌い」
「そっちに行っちゃったか。俺のことはどうなんだよ」
「別になんとも思わない」
「わざわざそんなことを言いに屋上に来てはいけないよ」
「何か大きな力に操られてここに・・・」
「まだ力が足りないか。わかった。千円あげるから、ちゃんと役割演じて」
「もう千円お願いするわ」
「なんで妄想なのに、お金を請求されるんだ・・・」
「何か言った？」
「じゃ、ちゃんとやってくれよ。もう困ったナァ」
「私あなたのことが好きなの」
「ちょっと淡白だな。具体的にどういうところが好きなのさ」
「そうね・・・体育座りが日本一似合うところ」
「変化球で来ちゃったね。それにあまり嬉しくないな。哀愁漂ってるよ」
「でも、なかなか、正三角には座れないわ」
「他のことにしてほしいな」
「じゃ、私、あなたが、シャーペンの芯をいれるとき、頭からじゃなくて
お尻から入れるところが好き」
「ど、どうして？」
「頭から入れると、不器用なあなたならキャップや消しゴムを吹っ飛ばして
なくしてしまうに違いないわ。そうしないのはあなたが身の程を知っているから
そういうところが素敵だと思うの」
「うーん、いい線だと思うけどいまいち、グっとくるものがないね」
「細かいわね。じゃぁ、いつも人と会うと、一歩後退りしてから
そのあとにっこり笑うところが好き」
「悪口に聞こえるのは気のせいかな。他にあるだろう。
ハンサムだとか、心が綺麗だとか、優しいとか・・・」
「え、嘘でもいいの？」
「おいおい。それはないだろう。もっとちゃんと俺を見てくれ。
他にもいいところがあるはずだ。俺もよくわからんが、頑張れ」
「じゃ、しばしば靴下を反対に履いているとこ」
「却下」
「廊下を歩くとき、窓側のぎりぎりを歩くところ」
「何がいいたいんだよ！悪口じゃなくて、誉め言葉を言って欲しいんだ」
「誉められる所がないってのは素敵だと思うの」
「なんだそりゃ」
「誉めるべき人なんてのは世界中にいくらでもいるわ。
だけど、誉めることがないなんて、そう滅多にあるものじゃないわ」
「うーん、誉められてるのか、嫌味を言われているのか」
「誉めてないわ。でもあなたみたいな人がいるおかげで、なんだ、自分は
あいつよりはましだ、と思えるはずよ。つまり存在するだけで
この世に生きる人の最大の慰めになるのよ。それってすごいわ」
「あぁそう。まぁいいや。ありがとう。よくわからないが、気が楽になった」
「人の光になって生きることね」
そう言うと彼女は、夕焼けの空気に溶けて消えてしまった。
最後の言葉が何度もリフレインされる。あまり良い言葉ではない、と思った。
というか・・・全然ロマンチックじゃない。なんだこりゃ。
どうして妄想の世界なのにここまで言われるんだ。
お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
【毎日開催】
15記事にいいね！で1ポイント
© Rakuten Group, Inc.
