閑古鳥の巣箱

閑古鳥の巣箱

PR

Profile

小市民伯爵

小市民伯爵

Favorite Blog

趣味の人 New! alex99さん

『18歳、新妻、不倫… 嘘つきな太陽さん

トリプルパンデミッ… はおめい1542さん

”おま毛屋敷” まきろん★さん
せんぷりちぇ♪ AAKOさん

Comments

シナモン畑 @ お久しぶりですね。 今晩は。 お元気でしたか? 久しぶりに…
おかいもの君 @ Re:ニコニコ動画にいろいろアップしてみた(08/06) ニコ動は僕も観ています 『神曲』とか言…
cishivonne @ こんにちは 長いこと、ブログのリンクをありがとう。 …
おかいもの君 @ Re[2]:シイナと麻美(06/08) 小市民伯爵さん >しかし久々に日記書こ…

Keyword Search

▼キーワード検索

2005.12.31
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「知は力なり」というが本当にそうだろうか。
「知らぬが仏」などというように、むしろ知らない方が
幸せに過ごせるのではないかと思うことはよくある。

美味しんぼ第一巻のエピソードは特にそれを
強く思った瞬間である。
東西経済部部長谷村は、ある記念企画に携るメンバーの
選抜のために、A、B、Cとラベルがつけられた水、
イロハのラベルがついた豆腐を文化部社員の前に出し、
このように説明する。

「三つのコップにはいっているのは水道の水、井戸の水、
 丹沢の山奥からくんできた鉱泉水、豆腐はスーパーの豆腐、
 上野の有名な豆腐、京都の有名な豆腐だ。
 水と豆腐の味の違いを示して欲しい」

これに主人公である山岡とヒロインの栗田だけが正解する。
読者としては「こいつらタダ者ではないぜ」と思うわけだ。

しかし、冷静に考えてみると水道水と鉱泉水の違いが
分からない人の方が幸福な人生を満喫出来る気がする。
山岡の父の海原雄山などは、味がわかってしまうだけに、
毎日何かを口にしては「女将を呼べ!!」と
怒鳴り散らしている。味の分かる彼も不幸だが、
彼に振り回される周りの人間も迷惑な話だ。

一般人はそんな微妙な味の違いなど分からないのだから、
別にどうだっていいじゃないかという所だ。
べらべらと薀蓄を垂れるよりも、黙って美味そうに食べる
人の方がよっぽど好感が持てる。

同じようなことは何にでもいえる。
私自身もその罠に嵌りかけているのだ。
アニメの話でいえば「ガンダムシード」や「エウレカ」は、
オタク向けの作品なのだが、むしろあまりアニメを
見ない人の方が評価の高い作品である。

過去の作品を知っている人にとっては、
劣化コピーされるのが耐えられないし、
使い古された表現の連続に食傷気味であるといった
感想を持つ人が多いのだが、そのような知識がなければ
これはこれとして単純に楽しめたはずなのだ。
過去の名作と比較してしまうというのも悲しい性だ。

その道を知らない人にとっては斬新であっても、
暁通している人からすれば「またかよ!」となるわけで、
それなら毎度毎度記憶喪失になっている方が
何でも新鮮に見れて楽しめるように思う。

これは勿論アニメに限定されるものではない。
こうやってただ生きていることも、もはや何の感慨もない。
やるせない事に、苦痛は慣れないのに幸福には
慣れて分からなくなるのだから困ったものだ。
実際悲劇は何度同じネタをやっても飽きないのに、
喜劇は何度もやっているとすぐに飽きてしまう。
お笑い芸人やギャグ作家の寿命もだから短い。

知れば知るほど本質から遠ざかってしまうという
パラドックスの克服は容易ではないように思う。

笑いについて書かれたベルクソンの本もちっとも面白くない。
もてない人が「どうやったらもてるんだー!」と
喚けば喚くほど余計にもてない。
「自分って何だろう、生きるって何だろう」と
深く追求していった結果、発狂したり自殺したりする
哲学者や純文学者も多い。

こういう例を見ると、むしろ何も考えない方が
精神衛生上良いのではないかと思う。
そう考えると我々の世代に顕著である
「まー、深く考えるのはよそうよ」というのは、
正しい生き方なのかも知れない。



■ウェブ拍手■ ←他にもあればどうぞ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.12.31 18:54:54
コメント(6) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:知は無力なり(12/31)  
絶対音感って羨ましいって思っていたら
持っている人はなんと微妙な音の違いが我慢ならないそうですね。

来年は大学生ですよね。
地元かな。
ブログは続けてくださいね。

来年もよろしく。
良いお年を! (2005.12.31 22:56:04)

Re:知は無力なり(12/31)  
そのとおりですね。
(2005.12.31 22:56:55)

Re[1]:知は無力なり(12/31)  
小市民伯爵  さん
はおめい1542さん
>絶対音感って羨ましいって思っていたら
>持っている人はなんと微妙な音の違いが我慢ならないそうですね。

何も分からない人の方が幸せー。

>来年もよろしく。
>良いお年を!

今年もよろしくお願いします。 (2006.01.01 12:16:54)

Re[1]:知は無力なり(12/31)  
小市民伯爵  さん
セキララメイカー・MASAさん
>そのとおりですね。

無知の知ですね。 (2006.01.01 12:17:12)

や~!豆腐ねた。  
泡雪さん  さん
今年姉のところに、温泉湯豆腐などというものが、お歳暮で届いた。クール宅急便で。
発泡スチロールに型が掘り込んであって、豆腐ごときにここまでする?と思って軽んじていた。
というのも、子供のころ、母親が、湯豆腐などをしてくれても、お湯であっためた豆腐、をたれで食べる。冷奴の暖かい判か?と思っていた。
何とびっくり、ペットボトルに入った温泉のお水で、その豆腐を炊くと、なんと水が豆乳の様ににごり、豆腐が型崩れせずにトロ~と滑らかに、なんともいえない旨みがでる。
その水で野菜などを茹でると美味じゃ。
ひゃ~!湯豆腐とはこういうものだったのか~!
と48年めの年の暮れに知ったわけだ。
美味しいものは美味しい。
母親の作っていた、温め豆腐とは別物だった。
あれは、冷奴のほうが美味しいと心に秘めながら、美味しいと笑顔の仮面でつくろった過去が・・・。
おっかさんが生きていたら、食べさせてあげたかった。
えっ!伯爵は、高校生???閑古鳥の古巣って、ひなびすぎています。
色んな物食べナはれ~。
最初は口に苦手でも、まだ味わい方がわからないものもたくさんある。
美味しいと感じることも味覚の開発です。
でも、まずいものは不味いです。
たいてい素材の味の組み合わせだけではなくて、
分量のバランス。一つ一つの素材の癖を覚えると、
余り失敗はしないよ。 (2006.01.01 12:25:56)

Re:や~!豆腐ねた。(12/31)  
小市民伯爵  さん
泡雪さんさん

私の年だとまだその違いはわかんない…。
質より量なんかなぁ、まだ。
未だにカニのどこが美味しいのだかわからない。
タイも何でちやほやされるのか。味ないじゃん。
育ち盛りでとにかくいっぱい食べなきゃだから、
質なんてきにしてられないって脳にシグナル
送られているのかしら。 (2006.01.03 02:00:32)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: