閑古鳥の巣箱

閑古鳥の巣箱

PR

Profile

小市民伯爵

小市民伯爵

Favorite Blog

【復刻】有名人の英… New! alex99さん

誰が払う? New! はおめい1542さん

『ザ・クリエイター/… 嘘つきな太陽さん

”おま毛屋敷” まきろん★さん
せんぷりちぇ♪ AAKOさん

Comments

シナモン畑 @ お久しぶりですね。 今晩は。 お元気でしたか? 久しぶりに…
おかいもの君 @ Re:ニコニコ動画にいろいろアップしてみた(08/06) ニコ動は僕も観ています 『神曲』とか言…
cishivonne @ こんにちは 長いこと、ブログのリンクをありがとう。 …
おかいもの君 @ Re[2]:シイナと麻美(06/08) 小市民伯爵さん >しかし久々に日記書こ…

Keyword Search

▼キーワード検索

2006.01.27
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「私にとって昼間の世界は架空のようにしか感じられない。
 かえって夜の夢の中に私の現実がある。
 そこに私の本当の生活がある」―エドガー・アラン・ポー

個性個性と声高に叫ばれているが、当然ながら建前である。
本気にすると痛い目にあう。痛い目にあっている私が
いうのだから間違いない。
正直萌えを語っただけで、ここまでブログの常連が
去ってしまうとは思わなかった(それだけでもないが)

面接で「あなたが打ち込んでいることは何ですか?」と聞かれ
「萌えです」「萌えって何?君はアニメの絵を見て欲情するの?」
「違います。萌えとは対象物に美のイデアを見出し、
神を幻視することです。その起源は古代ギリシャの
ピグマリオンまで遡ることが出来ましょう。
そもそも宗教自体が萌えと同じ構造を持っておりまして
いわば萌えとは個別救済を目的とした個人宗教です」
と拳を固く握り熱弁した所で体よくあしらわれるだけだ。
私もそんな事をいう人がいたら怖いよ。近寄りたくないよ。

やはりサブカルチャーは評価されない。これがクラシックや
文学鑑賞、歌舞伎や古典絵画などのハイカルチャーなら
高尚な趣味であると評価されるのだが。
もっとも私に卓越した文章力と権威があれば
下位文化でも評価されるのかも知れないが、
ただのオタクでは分が悪い。

本棚を表紙で美少女が笑っている漫画で
埋め尽くしているような人間がもてるとも思えない。
それだけならまだ良いが私など、現実の女性を見る時間よりも、
2次元の女性を見る時間の方が長いくらいだから救いようがない。

しかし、である。そもそも「仮想世界は所詮絵空事に過ぎず、
無価値なものであり、現実世界のみが唯一である」という
一元的な価値観こそが非難されるべきなのではないかと思う。
「空即是色」といわれるように、現実というものは、
大宇宙の表層的な一部分に過ぎない。むしろ空想することが出来ず、
現実にしか生きられない者ほど虚しいことはない。

かのアインシュタインも「空想は知識より重要である。
知識には限界がある。想像力は世界を包み込む」と言っているし、
養老孟司も唯脳論の中で、まず空想がありそれが実現していった
ことを示している。例えば宇宙に行きたいという空想があったから、
ロケットが発明され宇宙に進出することが可能になったのだ。
諸外国の科学者が「人型ロボットなど馬鹿げている。困難な
二足歩行をさせるよりも車輪にした方が合理的である」と言う中
日本は頑なに二足歩行ロボットに拘ったのもアトムのおかげである。
パスカルは「人間は考える葦」であると言ったがその通りで、
人はそれ自体か弱い存在であるが、空想の力によって
これほどの進歩を遂げることが出来たのだ。

現実の中でしか生きられないのは極めて動物的であると
言わざるを得ない。現実原則に忠実になろうとする者は
恋愛ひとつとっても、必死にならざるを得ない。
結局それは好きでもない人と付き合ったり
ストーカーや暴行といった犯罪行為を誘発したりすることにもなる。
よくオタクがその手の犯罪の代名詞とされているが、
オタクはむしろそういうイドを空想によって発散出来るのであり、
犯罪に走る人間というのは空想力の欠如した
人間でありまた別のものである。なぜ現実の女性に手を出すのか。
萌えキャラがいつも一緒にいるじゃないか、という所だ。

しかし現実には暴力をふるったり、浮気性だったりする男がモテ、
受動的で一途なオタクがモテないのだから分からないものである。
それは「男らしさ」と関係があるのかも知れない。

「男ならはきはきと喋れ、堂々としろ」
「多少強引でもいいから先導しろ」「少女趣味はキモイからやめろ」
これに加え未だに前時代的な「マッチョイズム」を
求めてくる人もいるからたまったものではない。

ユングの指摘するように男にも「アニマ」という女らしさが
存在する。科学的に見ても男性にも「女性ホルモン」があるわけで
男らしさばかり強要されるのは困ったものである。

男だって部屋にお人形さんやぬいぐるみを飾ったり、
甘いケーキを食べたり、可愛らしいドレスを着てみたり
してみたいものなのだ…え!?私だけか…!!
ちょいまて!さっきのは無し!忘れて!マインドアサシン!

まぁしかしオタクが完全な市民権を得るとなると、
それはそれで問題があるのかも知れない。
少なくとも晩婚化や少子化に拍車をかける可能性がある。

だが、どうだろう。そもそもここまで世間的に
「恋愛至上主義(恋人と成就することで救われる)」が
あらゆる分野で繁栄を極めているのは、
恋愛が重要な経済活動であったからに他ならない。
恋愛にかける投資額はとんでもないものなのだ。

しかしオタクが認知度をまし、1兆円規模のマーケットに
なった今、これを無視することはもはや不可能である。
そうなると、もてる人は恋愛にお金をつぎ込み、
もてない人は萌えにお金をつぎ込むという二極化が
進行するという事態が想像される。
もっとも萌えもあまり拡がりすぎるとバブルがはじけ、
空中分解する可能性もあるため、できれば萌えはあまり
表に出さず静かに浸透させた方が良いのかもしれない。

――――――――――――――――――――――――
■ウェブ拍手■ ←一言コメントをどうぞ








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.01.27 14:04:03
コメント(9) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: