塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

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◆〈第5話 その後〉





■ 中学受験・塾物語 《 ほんのちょっと番外編 》


関西の方は読みながらなんとなくお気づきかなと思います。
SN中は清風南海中学です。
トモは、二次試験で合格したS中=清風中に入学しました。
コースは3つ設定されている真ん中の理数コース。
トモ達のその後について、かんたんに書き加えたいと思います。


彼らは、中3になりました。(※この記事を書いた時点です。現在はすでに卒業しています。)

テッペイは、入学当初からめきめきと真面目さを発揮し、学年ベスト10入りの常連。
ベスト3とかっていうも何度か聞きました。
中学入学当初は、お母さんの方はしばらくの間なかなか元気がでなかったそうです。
でも、息子さんが学校の宿題の作文に、受験の経験のことを書いたのを読み、自分を支えてくれた人たちのためにも絶対中学高校で頑張るんだととても前向きな気持ちが綴られていたのを見てから、少し気持ちが軽くなってきたそうです。

友達もたくさんできて、先生の名前も話に出るようになり「学校楽しい!」と8時前には教室に着くように家を出る毎日の中で、
これでよかったんだな・・・いい経験をして、打たれ弱かったあの子が強くなれたんだなぁ・・・
と心から思えるようになったとおっしゃっていました。

私や息子の経験が、これから受験を迎える人のヒントになるのなら詳しく書いてくださってかまいませんとも言ってくださったのでお電話でのお話の内容を書かせていただきました。


トモは、その明るい性格からコース問わずあちこちのクラスに友人がいて、遊びにも毎日忙しくやっているそう。
最初のころ遅刻常習者だったらしく、先生にもしっかり名前を覚えられているみたい。
実力テストで理科と国語を学年1位をとれたことがきっかけで、
今は勉強もがんばっていて、今ではテッペイと同じ最上位のクラス。
成績は、そのときそのときで揺れるものの少しずつ成績を上げて今は10番~30番ぐらい。
お母さんの話だと、最初の1年間、遅刻しそうになると清風南海に向かう制服の集団を見ながら「あっちに合格していたら、遅刻じゃないのに・・・」
なんて言っていたようです。ですが、この間、
「高校から清風南海に行けるって言われたらどうする?」との問いに
「いや。ぼくは清風がいい。友達もいっぱいいるし、先生もいるし。毎日おもしろいし。」
と答えたって。
お母さんは、友達や先生やこの子にぴったりのなにか「縁」があって清風中学に行くことに導かれたんだと思ったっておっしゃっていました。


もう少し詳しく書きたいのですが、個人が特定できてしまうおそれがあるので、簡単ですが、このへんで。
(学校名は、生徒さん達が卒業してから入れました。在学中は架空の中学名でした。)
不合格という苦味を知ったテッペイとトモが、中学で活躍し、自分をさらに
磨き続けてくれていることを本当にうれしく思います。
使い古された言い方ですが、くやしさをばねにして・・・って、言うのは簡単ですけど、それを本当にやってのけた彼らを見ると、
乗り越える力を見込んで成長できるからこそ神様があえて不合格という壁を用意したんじゃないかと思えるくらいです。


物語中ではあまり目立たなかったヒロキですが、中学ではこつこつとがんばる性格が発揮されて成績もじわりじわりと上げて、
体育祭では応援団長を務めたそうです。お母さんが「先生、意外でしょ?私も少し驚いて」って教えてくれました。
「長」というようなことには消極的だった彼も、こういう形で成長しているのでしょうね。
人の前にたってリーダーシップをとるなんてことができるようになったヒロキも、かっこいいと思います。
最後の一歩が自信なげであった彼にとっては、志望校合格という経験が、自分に自信を持つ大きな意味があったのでしょうね。

そう言えば、「やる気がないんなら今日限りで塾を辞めてもらう!口ばっかりの約束じゃなくて行動で示せ!」と
目の前に退塾届けをつきつけ、校長印を押したのがつい昨日のようなのにってお母さんと笑いながらお話しました。
退塾届けっていうのは、ご両親と相談して、おしりに火をつけるために講師みんなで打ち合わせしてやったお芝居です。
そのニセモノの退塾届けは、今でも彼の机のサイドに張られているそうです。入試当日の私達の手書きのメッセージお守りといっしょに。


それぞれが今も、自分の道で前向きに歩いているようです。
まだ、だれにも「彼女」はいないらしいですが・・・。
私は、彼らの大学合格の報告を楽しみに待つことにします。




彼らは、その後京都大学・神戸大学などそれぞれの道で頑張っています。(加筆)


→第6話 を読む。

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