塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

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~たとえば忘れ物をしたとき



言葉遣いや学習への姿勢についてはかなり厳しく注意してきたと述べてきましたが、
例えば、生徒が忘れ物をしたときなど、(常習性の場合はもちろん厳重注意の対象。)
1度や2度の失敗に対しては不問にしていました。

誰にしもある失敗は、これから先もなくすことはできないと思う。
朝寝坊とか、うっかり忘れ物をたま~に(あくまで頻度が少ない場合の話。)してしまうことって、
本人に悪意はないし、何かをどうこうしたからってなくせたかというと難しい。一生怪我するな!と注意したからと言ってそうできるわけでもないし。
こういうことにまで、目くじらを立てると、
子どもは忘れ物とか自分の失敗を隠そう、隠そうとごまかす方法を考えてしまう。

例えばテキストを忘れたとして、
いつも厳しい私の授業のテキストを忘れたとなると、
気づいた時点で生徒の顔色はかなり悪い。(もう泣いてる子もいた(^_^;))
だいたい授業前に教室に入るので、忘れ物をしている子がいれば私の方も気がつく。
自分でしまったと思ったようなら、私から言うことはない。
次から、すごーく気をつけるだろうから。
その子の授業開始までの行動を見守る。

また、授業を始める前にこんな話をします。

***

人間、毎日毎日生きていれば、たまには失敗する。まちがいもある。当然。
一生懸命やっていても失敗することもある。
うまくいげば100だったところを
失敗して、0で終わるのか、失敗したけど50まではなんとかするのか、
90ぐらいにできるのか、それぞれ考えることが大事だよ。

例えば、テキストを忘れたとする。
授業前に気づいて、間に合いそうなら取りに帰るのも一つ。
先生に言いに来てコピーをしてもらうのも一つ。
テキストいらないぐらいに頭に入れておくのも一つ。
快く見せてくれる友達関係ができているのも一つ。
めちゃくちゃしっかり授業を聞いてノートを取りまくって家でしっかり復習するのも一つ。
例えば、宿題するのも忘れていたのなら、その解説の授業を受けてもしかたないし、先生に申し出て別室で今日のところはちがう勉強を一生懸命して、後日今日の分を先生に採点してもらったり、質問にきたりするのも一つだと思う。
いろんな方法があると思うけど、
最悪なのが、忘れたことをごまかして、あるフリをして授業に集中できずに、
先生に当てられませんようにと祈ることで時間が過ぎるのを待つことね。

してしまった失敗を、しっかり自分で受け止めて、
じゃあ次にいちばんマシな方法は何か考えること。
失敗した理由を考えて、次の失敗を防ぐこと。
そういうことも勉強の一つだと思うよ。
たま~の失敗なら、先生も助けてあげる。
ただし、何回も懲りずに失敗する人には、いつもいつもコピーあげないからね。
学習せずに忘れ物しまくった人が、たくさんプリントもらえて得するのはおかしいからね。

失敗したときに、いい方法が思い浮かぶ人は、本当に賢いと思うなぁ。
去年卒業した先輩で、実際にいたよ。
「国語のテキスト忘れたけど、先生、何回も文章読んで宿題したので大丈夫です。宿題の答えはノートにあるので当ててください。」
って言った人。

自分で失敗をなんとかフォローする方法を考える力をつけるのにも
勉強というのはいい練習になるよね。「問題を解決する」練習。
勉強ができるというのは、道を切り開く方法を考えられるってことだから
人としてひとつの魅力になる。
もちろん勉強だけじゃ意味ないけどね。
あと、自分ではどうしても解決させる方法が思い浮かばないときに
君を助けたいな、手伝いたいな、と思ってくれる友人がいることも
すごーく価値があるよね。
自分が勉強して考える力をつけたことで、友達のピンチを切り抜ける手伝いができたらこれも素敵だよね。
いい友達を作ること。だれかのいい友達でいること。
勉強と同じぐらいかそれ以上にがんばって欲しいなぁ。


また、逆に授業中に先生が出した課題を早くできたときの時間の使い方もいっしょ。

ぼーっと待ってるんじゃなくて、
もう一度一から解きなおすのも一つ。
前回の授業の復習をするのも一つ。
次の予習をするのも一つ。
辞書を引いて、言葉の意味を確認してもいいし、
もっと言えば、国語以外の自分の苦手科目を勉強するのもいいよ。
先生の時間だからといって、先生に気を使わなくていいんだよ。
授業は、君らのためにあるんだから、
君らが自分なりに自分にとっていちばんいいと思うように受けてください。
先生から見て、それはちがうなぁと思ったら、それは言ってみるけどね。

自分にとって、いちばんいい方法を考えて行動する習慣をつけられるといいね。前に「勇者」に例えて話をしたことがあったね。
「テレビが見たい。」「宿題しなくちゃ。」勇者は、どちらを選択するのかって。
そうやって自分にとっていい方法の方を選んでいけるようになれば、
「可能性がある中で、いちばんいい自分」になれると思う。

「いちばんいい自分」と思える時間を積み重ねていきましょう。





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