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2020年03月04日
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テーマ: 本日の1冊(3691)

「図書2020年3月号」

「図書」は数ある宣伝誌の中で、掲載記事の中であまり自社作品の宣伝をしない。後半に32ページかけて宣伝欄を設けているからいいのだ、という人もいるかもしれないが、記事中の宣伝がなかろうとも、この宣伝誌は岩波書店の見識を見せる雑誌なのだという「見識」なのだと思う。

見識の浅い私は、今回の16もある短い記事の中で、最後まで読み切ったのは小林聡美「はじまりの小三治」、原田國男「物書き出世せず」、長谷川櫂「三十分の死」の3つだけであることを告白する。まぁ雑誌とはそういうものである。

小林聡美のは、ファンの会報に載せるべき駄文(い、いかん、こんなこと書くから‥‥)。

原田國男の短文は、「裁判の非情と人情」(岩波新書)を読んだ時と同じ感銘を受けた。この場合の「物書き出世せず」の「物書き」とは、裁判官が随筆ではなく学術論文さえ「書くべきでない」と指導されている状況に対してである。裁判官たるもの、判決書のみに専念するべきだ、裁判官は定時を過ぎても裁判官でいなければならない、という空気のせいである。元裁判官として、原田さんは疑義を唱える。「狭い世界に閉じこもり世間から隔絶された裁判官がいい裁判をするようにも思えない」。原田さんは「40年にわたる裁判官人生でともに映画や小説を語る相手に出会わなかった」らしい。「さびしいことだ」。

長谷川櫂は、漱石「こころ」の先生の死を「明治の精神に殉じたのは、自分から国家による死の意義づけを求めた」と云っている。私は反対意見を持っている(LGBTを自覚していた先生が生き辛さを感じていた説)。それはともかく、長谷川櫂は癌の手術の後ヘルニア手術の後遺症で3時間意識不明になった。そして、夏目漱石が修善寺の大患で「30分死んだ」ことは漱石にとって吐血よりも衝撃だったろうと、自分の経験に即して言っている。それは「こころ」から「明暗」にかけて水脈のように浸しているだろうと、俳人らしく推測しているのである。

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最終更新日  2020年03月04日 13時13分32秒
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