飄々草は風の中

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二男が泣いた


       《二男が泣いた》     



 「障害者週間」というのがあります。

全国でいろいろな啓蒙運動とともに行われているようです。

その一環として、作文、ポスターを小、中、高生から募集します。

たまたま前年、引越ししていった幼馴染が、この作文コンテストで

佳作に入ったのを見て、「俺も出してみよ~~」と

何気に書いて送ったら、なんと、最優秀賞をとってしまい、

市の式典で市長から表彰状を受け取り、その後朗読すること。。。

いや~~、びっくり!!

で、その式典に中学の国語の教師とともに、母と弟も会場から

見る機会をいただきました。

 兄の緊張が伝わるのか、壇上をじっと見つめる二男。

賞状を受け取ると、立ち上がるほどの勢いで手をたたいていました。

そして、朗読が始まると・・・・

じっと、聞いていた二男。

みるみる涙が溢れて、

「にいちゃん、辛かったんだね。。。

ありがとう、にいちゃん、僕のためにごめんね・・・」

とつぶやきながら、泣いていました。

母は、うわぁ、号泣するなよ~~と

そちらのほうが気になりましたが、隣を見ると

国語の先生が、すっかり涙ぐんでおりました! ありがたい!!


 式が終わり、兄と合流すると、駆け寄りしがみつき

「にいちゃん、おめでとう。」

長男は照れで、「なんだよ!」と言っていたけれど、

「朗読聞いて、泣いたんだよ。」と教えたら

嬉しそうに笑って「○○、ありがとな!」と声をかけていました。

兄弟げんかも、物凄くやらかしてくれる二人だけど

親とは違うふたりの絆が、しっかりあるのだなと感じる一幕でした。


 式典の会場には、たくさんの障害者の方々もいらしていて、

いっしょに表彰を受けた(障害者の方は、写真や絵などのコンテスト)男性の方に、

「とても素晴らしい作文でしたね。

これからもがんばってくださいね。」と声をかけられ、

それが一番嬉しかったと話す長男。

親ではなく先生でもない大人に認められるということは、

子どもには一番の勲章なのだと思います。



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